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星の島で恋をした【完結】
第11章 《十一》
*
セルマは男から渡された服を着た。濃い青色の生地はかなり柔らかくて、着心地がよい。セルマはこんな服を持っていなかったので、これは男の服なのだろう。セルマは女性にしては背も高く、鍛えていたので身体つきは決して華奢ではないが、それでも大きい。
昨日の夜、裸の男に後ろから覆い被さられていたが、セルマをすっぽりと包んでいたので、男はセルマより大きいことを改めて認識して──恥ずかしさのあまり、真っ赤になったのが分かった。
この島に来てから、なんだかおかしい。
それもこれも男のせいであるのはすぐに分かったのだが、自分がまさかこんなにも男に翻弄されるとは思っていなかった。
セルマの周りは男ばかりだったが、女というだけで馬鹿にされたり足下をすぐに掬われる立場であったため、常に気を張っていた。
そして女だと馬鹿にする割にはだれもセルマのことを女扱いしなかった。セルマもして欲しいと思っていなかったのでそれは別にかまわなかったのだが、都合が悪くなると「女のくせに」と言われるのが癪ではあった。
それなのに男は、最初はまだしも、セルマのことを女性として扱い、ましてや……。
「ぅぅぅ……」
昨日の痴態を思い出すと羞恥で死ねそうだったので、セルマはできるだけ頭の片隅に追いやり、下履きを履くことにした。
手に取るとそれは昨日、穿いていた物だった。さすがに下は男のものだと大きすぎると判断したのだろう。
セルマは着替え終わると衝立から出た。
日はかなり高くて、ずいぶんと長い間、寝ていたのを知った。
「こっちだ」
声のした方を見ると、日陰の下に男が座っていた。
セルマはじっと男を見た。
日陰の下にいても、金色の髪は輝いていた。光り輝いていて近寄りがたい。
昨日はそんな男と最後までいかなかったものの、あんなことをやったことを改めて思い出し、真っ赤になったのが分かった。
男はセルマが赤くなっていることに気がついているだろうに、特に突っ込まず聞いてきた。
「腹は減っているか」
男に言われて、セルマのお腹は情けない音を立てた。色気もなにもあったものではないと思ったが、喉も渇いていたし、そしてなによりもセルマの身体は生きたいと主張していた。
セルマは男から渡された服を着た。濃い青色の生地はかなり柔らかくて、着心地がよい。セルマはこんな服を持っていなかったので、これは男の服なのだろう。セルマは女性にしては背も高く、鍛えていたので身体つきは決して華奢ではないが、それでも大きい。
昨日の夜、裸の男に後ろから覆い被さられていたが、セルマをすっぽりと包んでいたので、男はセルマより大きいことを改めて認識して──恥ずかしさのあまり、真っ赤になったのが分かった。
この島に来てから、なんだかおかしい。
それもこれも男のせいであるのはすぐに分かったのだが、自分がまさかこんなにも男に翻弄されるとは思っていなかった。
セルマの周りは男ばかりだったが、女というだけで馬鹿にされたり足下をすぐに掬われる立場であったため、常に気を張っていた。
そして女だと馬鹿にする割にはだれもセルマのことを女扱いしなかった。セルマもして欲しいと思っていなかったのでそれは別にかまわなかったのだが、都合が悪くなると「女のくせに」と言われるのが癪ではあった。
それなのに男は、最初はまだしも、セルマのことを女性として扱い、ましてや……。
「ぅぅぅ……」
昨日の痴態を思い出すと羞恥で死ねそうだったので、セルマはできるだけ頭の片隅に追いやり、下履きを履くことにした。
手に取るとそれは昨日、穿いていた物だった。さすがに下は男のものだと大きすぎると判断したのだろう。
セルマは着替え終わると衝立から出た。
日はかなり高くて、ずいぶんと長い間、寝ていたのを知った。
「こっちだ」
声のした方を見ると、日陰の下に男が座っていた。
セルマはじっと男を見た。
日陰の下にいても、金色の髪は輝いていた。光り輝いていて近寄りがたい。
昨日はそんな男と最後までいかなかったものの、あんなことをやったことを改めて思い出し、真っ赤になったのが分かった。
男はセルマが赤くなっていることに気がついているだろうに、特に突っ込まず聞いてきた。
「腹は減っているか」
男に言われて、セルマのお腹は情けない音を立てた。色気もなにもあったものではないと思ったが、喉も渇いていたし、そしてなによりもセルマの身体は生きたいと主張していた。