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星の島で恋をした【完結】
第14章 《十四》

*
ご飯を食べ終え、二人はスキアがいるという入り江へと向かった。
ここも例外なく陸地は真っ黒で、だけど海はとても透明だった。透明な海から黒い陸地へは透明な風が吹き抜ける。
入り江は幅が狭く、だけど陸地まではそこそこ遠い。入口から陸地まで腰の辺りまで水があるが、下は黒い砂で覆われていた。
「スキアは俺たちが来たことに気がついているな」
リクハルドは入り江の入口から中をうかがいながら呟いた。セルマもそっと入り江を見るのだが、問題のスキアがどこにいるのかさっぱり分からない。
「スキアってどこにいるの?」
セルマはてっきり入り江の先に見える陸地にいるのかと思ったのだが、それらしき影は見えない。
「陸地の先に崖が見えるだろう?」
「……うん」
「あそこの影にいる」
リクハルドの指の先にはなにひとつ隔てるものはなくて崖が作る影しか見えず、セルマは首を振った。
「奇襲をかけるのは初めから無理だと分かっていたからいいけれど、どうしたものかなあ」
リクハルドはむぅと唸っていたがすぐになにか思いついたようだ。
「ばれてるんだから、真っ正面から行こう」
「え……?」
「この入り江の水を利用してスキアをできるだけこちら側に引っ張るから、セルマはスキアに一撃でいいから傷口を作って欲しい」
「傷……?」
「セルマに埋められていた呪いの種をあいつに埋める」
「……呪いの種?」
なんの話かさっぱり分からずにリクハルドに聞くと、懐からなにかを取り出して広げて見せてくれた。
「これがセルマの肩に埋め込まれていた」
「え……」
「呪いの矢の先に仕込まれていたんだと思うよ。肩に定着して根をはられていたら無理だったけど、まだ浅かったから星たちに助けてもらって取れた」
まさかそんなものが埋め込まれていたとは知らず、セルマは少しだけ気が遠くなった。
「まさかそれを取るために肩に指を突っ込んだ……?」
「そう。あれ、痛かったよな、ごめん。でもこれで、セルマに掛かっていた呪いは取り除くことができた」
ご飯を食べ終え、二人はスキアがいるという入り江へと向かった。
ここも例外なく陸地は真っ黒で、だけど海はとても透明だった。透明な海から黒い陸地へは透明な風が吹き抜ける。
入り江は幅が狭く、だけど陸地まではそこそこ遠い。入口から陸地まで腰の辺りまで水があるが、下は黒い砂で覆われていた。
「スキアは俺たちが来たことに気がついているな」
リクハルドは入り江の入口から中をうかがいながら呟いた。セルマもそっと入り江を見るのだが、問題のスキアがどこにいるのかさっぱり分からない。
「スキアってどこにいるの?」
セルマはてっきり入り江の先に見える陸地にいるのかと思ったのだが、それらしき影は見えない。
「陸地の先に崖が見えるだろう?」
「……うん」
「あそこの影にいる」
リクハルドの指の先にはなにひとつ隔てるものはなくて崖が作る影しか見えず、セルマは首を振った。
「奇襲をかけるのは初めから無理だと分かっていたからいいけれど、どうしたものかなあ」
リクハルドはむぅと唸っていたがすぐになにか思いついたようだ。
「ばれてるんだから、真っ正面から行こう」
「え……?」
「この入り江の水を利用してスキアをできるだけこちら側に引っ張るから、セルマはスキアに一撃でいいから傷口を作って欲しい」
「傷……?」
「セルマに埋められていた呪いの種をあいつに埋める」
「……呪いの種?」
なんの話かさっぱり分からずにリクハルドに聞くと、懐からなにかを取り出して広げて見せてくれた。
「これがセルマの肩に埋め込まれていた」
「え……」
「呪いの矢の先に仕込まれていたんだと思うよ。肩に定着して根をはられていたら無理だったけど、まだ浅かったから星たちに助けてもらって取れた」
まさかそんなものが埋め込まれていたとは知らず、セルマは少しだけ気が遠くなった。
「まさかそれを取るために肩に指を突っ込んだ……?」
「そう。あれ、痛かったよな、ごめん。でもこれで、セルマに掛かっていた呪いは取り除くことができた」

