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星の島で恋をした【完結】
第14章 《十四》
どうして傷口を広げられているのか分からなかったのだが、ようやく理由を知ることができて、しかも取ってもらっていなかったら大変なことになっていたと知り、セルマはなんと返せばいいのか分からなかった。
「……ありがとう?」
「礼にはおよばない」
そういってリクハルドはまた、懐にしまった。
「セルマ。もう一度、キスしてもいい?」
「え?」
「上手くいくように、おまじないのキス」
「……うん」
腰に手を回され、リクハルドは触れるだけのキスをしてきた。セルマは静かに受け入れた。やはり唇に触れるだけのキスで、少し物足りないな……なんてセルマは思ってしまった。それが表情に出ていたのか、リクハルドは唇を離すとセルマの瞳をのぞきこんで、くすりと笑った。
「もっとして欲しい?」
「……うんって答えたらどうするの?」
「スキアを倒したら、ご褒美にもっとしてあげる」
リクハルドの返答にセルマは笑った。
「それはリクハルドがしたいだけでしょ?」
「そうとも言う」
そしてお互い、顔を合わせてくすくすと笑った。
「とりあえず、向こうは気がついているとはいえ、セルマはできるだけ気配を殺して近寄って。俺がこちらに注意を引きつけておくから」
「……うん」
「……ありがとう?」
「礼にはおよばない」
そういってリクハルドはまた、懐にしまった。
「セルマ。もう一度、キスしてもいい?」
「え?」
「上手くいくように、おまじないのキス」
「……うん」
腰に手を回され、リクハルドは触れるだけのキスをしてきた。セルマは静かに受け入れた。やはり唇に触れるだけのキスで、少し物足りないな……なんてセルマは思ってしまった。それが表情に出ていたのか、リクハルドは唇を離すとセルマの瞳をのぞきこんで、くすりと笑った。
「もっとして欲しい?」
「……うんって答えたらどうするの?」
「スキアを倒したら、ご褒美にもっとしてあげる」
リクハルドの返答にセルマは笑った。
「それはリクハルドがしたいだけでしょ?」
「そうとも言う」
そしてお互い、顔を合わせてくすくすと笑った。
「とりあえず、向こうは気がついているとはいえ、セルマはできるだけ気配を殺して近寄って。俺がこちらに注意を引きつけておくから」
「……うん」