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星の島で恋をした【完結】
第18章 《十八》
*
昨日、あんなに情熱的に交わったのに、リクハルドはあっさりしていた。
セルマはリクハルドの態度に気落ちしながらも荷物をまとめ……といってもここに来るときもそれほど荷物がなかったのですぐに終わった。
リクハルドと一緒にお昼を食べ、いつものようにガゼボの端に座って景色を眺めていた。
昼間は黒一色の島だけれども、それでもここで過ごした数日間を思うと、淋しく思う。
ここにずっといたい。
そう思ったけれど、セルマはカティヤ王女を護るという仕事があるのだ。
それにリクハルドはセルマと身体を合わせたことで満足したのか、それとも失望したのか分からないが、視線を合わせてくれない。しかも先ほどは手首に触れてくれたけれど、それ以降はかなり距離を取られてしまった。あまりにも昨日と違う態度にどうすればいいのか戸惑った。
段々と鬱々としてくるセルマに比べ、リクハルドは淡々としていた。むしろすがすがしいとさえ見える態度。
一人がいいと言っていたけれど、セルマがいなくなることで清々としているのかもしれない。
それにセルマの手首に星が残ったままだということを確認してからこちら、まったく視線を合わせようとしてくれなかった。
どんよりと落ち込むセルマだったが、舟が近づいてくるのが見えるとリクハルドはなにかを取り出した。
「セルマ、前にも話したけれど、手首の星は隠しておけ」
「……うん」
「これをやるから」
そういって渡されたのは、色とりどりの布。
「洗い替えが必要だろう?」
「うん……」
「俺の代わりにしっかりとカティヤを護ってくれよ」
「…………」
「あと、自分を大切にしろよ。そうしないとカティヤを護れない」
「…………」
「その……がんばれよ」
昨日、あんなに情熱的に交わったのに、リクハルドはあっさりしていた。
セルマはリクハルドの態度に気落ちしながらも荷物をまとめ……といってもここに来るときもそれほど荷物がなかったのですぐに終わった。
リクハルドと一緒にお昼を食べ、いつものようにガゼボの端に座って景色を眺めていた。
昼間は黒一色の島だけれども、それでもここで過ごした数日間を思うと、淋しく思う。
ここにずっといたい。
そう思ったけれど、セルマはカティヤ王女を護るという仕事があるのだ。
それにリクハルドはセルマと身体を合わせたことで満足したのか、それとも失望したのか分からないが、視線を合わせてくれない。しかも先ほどは手首に触れてくれたけれど、それ以降はかなり距離を取られてしまった。あまりにも昨日と違う態度にどうすればいいのか戸惑った。
段々と鬱々としてくるセルマに比べ、リクハルドは淡々としていた。むしろすがすがしいとさえ見える態度。
一人がいいと言っていたけれど、セルマがいなくなることで清々としているのかもしれない。
それにセルマの手首に星が残ったままだということを確認してからこちら、まったく視線を合わせようとしてくれなかった。
どんよりと落ち込むセルマだったが、舟が近づいてくるのが見えるとリクハルドはなにかを取り出した。
「セルマ、前にも話したけれど、手首の星は隠しておけ」
「……うん」
「これをやるから」
そういって渡されたのは、色とりどりの布。
「洗い替えが必要だろう?」
「うん……」
「俺の代わりにしっかりとカティヤを護ってくれよ」
「…………」
「あと、自分を大切にしろよ。そうしないとカティヤを護れない」
「…………」
「その……がんばれよ」