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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第4章 求め合う心
男は笑いながら、梨花を見ている。
「第一、尹家の息子に告げ口するも何も、私がその息子なのだから、君が心配する必要はないんだよ」
「ええっ」
梨花は愕きのあまり、言葉を失ってしまう。
これは、かなりまずいのではないか。梨花は茫然自失の体になった。
考える間もなく、梨花はその場に膝をついた。
「申し訳ございませんっ。若さまとは知らず、ご無礼の数々、どうか、どうかお許し下さいませ」
土下座して深々と頭を垂れる梨花を、男は眼を丸くして見ていた。
「止めてくれ。さあ、立って」
それでもなお手をつかえたままの梨花の手を取り、〝立ちなさい〟と優しく囁いた。
「第一、尹家の息子に告げ口するも何も、私がその息子なのだから、君が心配する必要はないんだよ」
「ええっ」
梨花は愕きのあまり、言葉を失ってしまう。
これは、かなりまずいのではないか。梨花は茫然自失の体になった。
考える間もなく、梨花はその場に膝をついた。
「申し訳ございませんっ。若さまとは知らず、ご無礼の数々、どうか、どうかお許し下さいませ」
土下座して深々と頭を垂れる梨花を、男は眼を丸くして見ていた。
「止めてくれ。さあ、立って」
それでもなお手をつかえたままの梨花の手を取り、〝立ちなさい〟と優しく囁いた。