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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第8章 終焉
梨花は先刻歩いた道を再び走りに走った。
丁度、石橋が見えてきた頃、橋を渡り終えた兄の後ろ姿が眼に映った。背中の振り分け荷物、頭に被った笠、すべてが旅支度だと知れる。
「お兄ちゃん!」
声が嗄れるくらい大きな声で呼ばわる。
兄が立ち止まり、首だけをねじ曲げるようにして振り返った。
「どうして、どうして―」
梨花は呟きながら急いで橋を渡った。
ソルグクは黙って橋のたもとに佇んでいる。
梨花は橋の中ほどに立ち、兄に叫ぶように言った。
「どうして、お兄ちゃんまでいなくなるの? 皆、私に黙って、いなくなっちゃうの?」
ソルグクがゆっくりと戻ってきて、梨花の前に立った。
「俺はお前の兄さんなんかじゃない」
丁度、石橋が見えてきた頃、橋を渡り終えた兄の後ろ姿が眼に映った。背中の振り分け荷物、頭に被った笠、すべてが旅支度だと知れる。
「お兄ちゃん!」
声が嗄れるくらい大きな声で呼ばわる。
兄が立ち止まり、首だけをねじ曲げるようにして振り返った。
「どうして、どうして―」
梨花は呟きながら急いで橋を渡った。
ソルグクは黙って橋のたもとに佇んでいる。
梨花は橋の中ほどに立ち、兄に叫ぶように言った。
「どうして、お兄ちゃんまでいなくなるの? 皆、私に黙って、いなくなっちゃうの?」
ソルグクがゆっくりと戻ってきて、梨花の前に立った。
「俺はお前の兄さんなんかじゃない」