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海棠花【ヘダンファ】~遠い約束~
第3章 運命の邂逅
「海棠」
「なあに?」
振り向く梨花に、ソルグクの不安そうな瞳が向けられていた。
「あの男だけは止めとけ。兄ちゃんは、何か嫌な予感がするんだ」
「何言ってるのよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんこそ、今日は変よ? 今し方も話したように、あの方とは今日出逢ったばかりで、しかも助けて頂いただけだって」
梨花が笑うと、ソルグクは真顔で首を振る。
「たかだか助けてやっただけの女のために、知り合いの高名な医者を寄越すとでも? 海棠よ、こんなことを言えば、お前はまた怒るだろうが、あいつは下心があるからこそ、お前の気を惹きたくて医者を寄越したんじゃねえか?」
俊秀は梨花がどれだけ食い下がっても、最後まで〝依頼者〟の名を明かそうしなかった。
「なあに?」
振り向く梨花に、ソルグクの不安そうな瞳が向けられていた。
「あの男だけは止めとけ。兄ちゃんは、何か嫌な予感がするんだ」
「何言ってるのよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんこそ、今日は変よ? 今し方も話したように、あの方とは今日出逢ったばかりで、しかも助けて頂いただけだって」
梨花が笑うと、ソルグクは真顔で首を振る。
「たかだか助けてやっただけの女のために、知り合いの高名な医者を寄越すとでも? 海棠よ、こんなことを言えば、お前はまた怒るだろうが、あいつは下心があるからこそ、お前の気を惹きたくて医者を寄越したんじゃねえか?」
俊秀は梨花がどれだけ食い下がっても、最後まで〝依頼者〟の名を明かそうしなかった。