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激情パラドックス
第3章 パラドックス
後ろ髪引かれる想いで美弥と別れ、早番出勤する。俺の職場は六本木にあるそこそこ高級なレストランで、店の名前は『パラドックス』。大学時代にウエイターとしてバイトしていたまま、ここの社員になった。
「おはよう」
「おはよ」
店長の佐久間とは同い年だ。バイト時代から数えれば俺の方がベテランだけど、俺より良い大学を出ていて将来有望な佐久間が店長になった。佐久間は目立たないが地道になんでもこなす良い奴で、適当なとこがある俺のフォロー役とも言える。
「あのさ、オレ、結婚することになったわ」
「へっ!?結婚!?」
そんな佐久間からの突然の報告は、寝耳に水だった。
「うん。優花と」
「え……、優花って、おま……マジで!?一体いつから……」
優花は同じく社員仲間で、3つ年下の25歳。美人ではないが気の利く子で、確かに言われてみれば佐久間とお似合いではある……が、2人が付き合ってることすら知らなかった俺はマジで驚いた。
「気付いてなかったか。まぁ付き合い始めたのはここ半年ぐらいなんだけどな。オレはずっと、いいなーと思ってたんだ……」
「それで急に結婚って……、まさかできちゃったとかか!?」
「ご名答。でもどっちにしても結婚するつもりだったからそれだけじゃないんだけどさ。きっかけにはなるよな、やっぱり」
「そういうもんか……。いやそれにしても驚いたわ……佐久間が結婚かよ……」
「お前はどうなんだよ。大和とさくらちゃん、もう随分長いよな?」
「ん、あー……、それがさ……もう、ダメっぽいわ」
俺は事情を軽く説明した。美弥の事は、まだ言えないが。
「へぇ……、でもさくらちゃんってそんな簡単に浮気とかするタイプだったか?」
「まぁ、そうも思わないし、俺だってそう思いたくないけどね……共通の友達から聞いてるから確かな話なんだよな」
「大学時代の仲間なんだろ?」
「ああ……。卒業する頃からだから、もう6年になるのか」
「ま、あれだ……、長過ぎた春、ってやつなのかもな。さくらちゃんだって28だろ?どうせお前結婚とか考えてないんだろうし」
「……うるせー」
「おはよう」
「おはよ」
店長の佐久間とは同い年だ。バイト時代から数えれば俺の方がベテランだけど、俺より良い大学を出ていて将来有望な佐久間が店長になった。佐久間は目立たないが地道になんでもこなす良い奴で、適当なとこがある俺のフォロー役とも言える。
「あのさ、オレ、結婚することになったわ」
「へっ!?結婚!?」
そんな佐久間からの突然の報告は、寝耳に水だった。
「うん。優花と」
「え……、優花って、おま……マジで!?一体いつから……」
優花は同じく社員仲間で、3つ年下の25歳。美人ではないが気の利く子で、確かに言われてみれば佐久間とお似合いではある……が、2人が付き合ってることすら知らなかった俺はマジで驚いた。
「気付いてなかったか。まぁ付き合い始めたのはここ半年ぐらいなんだけどな。オレはずっと、いいなーと思ってたんだ……」
「それで急に結婚って……、まさかできちゃったとかか!?」
「ご名答。でもどっちにしても結婚するつもりだったからそれだけじゃないんだけどさ。きっかけにはなるよな、やっぱり」
「そういうもんか……。いやそれにしても驚いたわ……佐久間が結婚かよ……」
「お前はどうなんだよ。大和とさくらちゃん、もう随分長いよな?」
「ん、あー……、それがさ……もう、ダメっぽいわ」
俺は事情を軽く説明した。美弥の事は、まだ言えないが。
「へぇ……、でもさくらちゃんってそんな簡単に浮気とかするタイプだったか?」
「まぁ、そうも思わないし、俺だってそう思いたくないけどね……共通の友達から聞いてるから確かな話なんだよな」
「大学時代の仲間なんだろ?」
「ああ……。卒業する頃からだから、もう6年になるのか」
「ま、あれだ……、長過ぎた春、ってやつなのかもな。さくらちゃんだって28だろ?どうせお前結婚とか考えてないんだろうし」
「……うるせー」