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激情パラドックス
第5章 隠せない嘘
『最高のセックスでした。勃起したおちんちんの写真もありがとう。別れてからもこれを見ながら一人エッチします。綺麗に撮れてるから送っておくね。それじゃあ、本当に最後の我儘を聞いてくれてありがとう。ずっと大和が大好きです。さくら』
なんとそのメールには、さっき撮った俺のフル勃起ちんこ写真が添付されていたのだった……。

「……最低」
「美弥、ごめん……でも聞いてくれ、書いてあるけど最後にセックスしてくれって言ったのはあいつなんだ。写真撮らせてくれって言ったのもあいつ!俺は拒んでたんだけど……、」
「でも、最高のセックスをしてあげたんですよね?結局」
……返す言葉がない。
「こんなに、ビンビンに勃起して」
……仰る通り、動かぬ証拠……。
「結局……松原さんが私にしたのもただのエッチだったんじゃないですか……好きで抱いてくれたわけじゃ、なかったんだ……」
美弥が涙をこぼす。ああ……俺、最低だな。今何を言っても言い訳にしかならない。
「私は……好きな人に抱かれて嬉しかったのに……バカみたい……」
「……ごめん」
「もう混乱して何も考えられません。さよなら」
「あ、ちょっ……、美弥!」
美弥は泣きながら出て行ってしまった。泣いている美弥を抱き締めることすらできない自分にとてつもない虚無感を抱えた。
「くそっ……」
二兎を追うものは一兎をも得ず――、その諺が頭の中でこだましていた。

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