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第10章 それぞれの思惑　想い　念い

「繰り返しますが彼女は会社員です　音楽関係の仕事ではありません　人前に出ることは苦手で私が頭を下げてお願いして同行してもらっただけです」ビックリした顔されても
「何で！」皆がため息　話通じないみたい
少しの沈黙に宮坂さんが「送るよ　千夜　「待ってくれせめて1曲聴かせてくれないか？」あの時の曲のリクエスト
そろそろ帰らなきゃるいが心配する　ゆっくりピアノの前に　軽く鳴らして歌い出す　

「完璧だ！」歌い終わると拍手して立ち上がる　ゆっくり宮坂さんが「満足しましたか？さぁお姫さま帰らないとカボチャの馬車になってしまうよ」帰れる！疲れたし余計なこと考えずにすんだし案外楽しかった
「車の鍵下さい　帰ります」私が言うと「歌う気は無いの？」ぼそりと　「無いです」華やかな場所は好きになれない　
名残惜しそうに見られても　携帯を見るとヤバイ！るいからライン　千夜さんが鍵を渡してくれると思ったら宮坂さんが取り上げた！？
「え！」驚く私に「気が変わった　王子様に迎えに来てもらえば良いじゃん」てなんで？
千夜　黒呼んでって　
「一夜限りのバンド始めるよ　黒の楽譜　みゆこれお願い　黒はドラマーだったんだけど色々あって今は力仕事してもらってる　だけど時々寂しそうなんだ　だから付き合って　貴方もお願いします　これを」帰れないの？

私がギター&ボーカル　ベースはプロデューサーの花巻さんもう一人のギターが宮坂さん　で
「何ですか　てかバンド？」あの人は腕にタトゥーの黒髪の人
楽譜を覚えて「みゆこれして」マスカレードみたいな派手な目を隠す仮面を渡される
ドラムが一番前　その後ろに私　両脇に二人
「さぁショータイム！」
まだ状況が把握出来てない黒さん　だけど力強く演奏が始まる　歌声に黒さんも重なり千夜さんが花巻さんの楽譜を捲って　

必死に演奏　夢中過ぎてフロアにいっぱいの人に気が付かなかったぐらい
「最後の曲です　一夜限りのバンド　マスカレードの曲に酔いしれてください」
私の楽譜は床に広げて　どうにでもなれだわ


「ありがとうございました　もしこのバンドが気に入ってくれましたらコースターに熱いメッセージをお願いします」ステージの照明がお客さんの方に　　!!ヤバイるいがいる
ゆっくり後ろに下がる　帰らなきゃ　明日の用意もまだだし
「どこ行くの？」るい！ヤバイ