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第10章 それぞれの思惑　想い　念い

それは君にあげるよって　幾らするかわからないぐらいだよ
「私では管理しきれません　こんな素晴らしいバイオリン」無理だよ　じっと見詰める視線がこわいから

『私を産んでくれた母はバイオリストだったんです　私がピアノ　二人で演奏出来る日を夢見て消えかけてる命の炎を必死に燃やして　だけど頑張れ無くなってしまいました　自分の明日より私の行く末ばかり心配して　最後の夜母から楽譜を渡されました　二人で演奏する為の曲さよならの曲になってしまいました　まだ演奏する事は出来ないけど宝物で私の一生の課題曲です』私の告白にその人は涙を流しながら何も言わずにぎゅってして
『辛い事を思い出させてしまったね　いつかその曲を一緒に演奏させてくれないか　バイオリンは不得手だがピアノなら大丈夫　外交官をしているが小さな頃は本気でピアニストに憧れてたんだ」震える声で鼻を啜りながら　イケメンが台無し　
『ありがとうございます　宜しくお願いします』微笑む私に
「みゆ　話がわかんないんだけど　フランス語勉強すれば良かった　てか勉強する　悔しい　おっさんみゆ離せよ」優しく私を引寄せ
「かまってよ」酔うと小さな子供　思わず頭を撫でると　子供扱いすんなよって拗ねた

ニヤリと笑い　大人だって証明しても良いんだけどって腕の中閉じ込め様とする　？ライン

「残念　タイムオーバー　帰らなきゃ　明日も仕事だし」
もう少し付き合って　マスター「スクリュードライバーとバラライカ」
マスターが奢るよって　大丈夫？お酒あんまり強くなさそうなんだけど
他の人も其々注文してる　いつの間にか音楽も
「マスター我が儘言ってすまなかった　お嬢さんジンフィズ又呑みに来て良いかな」えーと
「残念ながら私は会社員で此処の店員ではないんです」驚いた顔　慌てて名刺を出して
「外交官をしているんだ　今度は一緒に呑みながら話したい」って私の手に名刺を握らせて　連絡してくれって　るいが心配するし無しかな　曖昧に微笑む私に約束したからってぎゅって手をもう一度
バイオリンを持って帰って行く　

「ユウありがとう　えーとみゆさんもほんとうにありがとう」深々と下げられる頭に
「榊　美優です　お騒がせしました」久しぶりの軽い緊張感　楽しかった
「あの我が儘ついでに僕にジンフィズをお願いします」あの店員さん　マスターをみると　カウンターを開けてくれる