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花咲く夜に
第8章 旅立
めぐるは(言っていいものかしら…)
と考えつつ言葉を選ぶ。


『郵便局はOKなんでしょうか?
貴斗さん、ちょっと色々あって…』


『……うん。
休み自体は困るっちゃー困るけどなぁ(苦笑)

あいつ、何処か行ってるの?朝も見ないし、
車ないし………』




『………す、すみません………
出掛けちゃってて………』

めぐるは慌てて俯く。

(優さんにも言ってないのね………)


『………何か心配事なら言ってよ?同じ地域に住む仲間なんだから』

優は優しくそう諭した。


すると、
そこへ。

『こんばんはー!
めぐる、来たぞ〜ヤッホー』
明るい声が響く。


『あっ……?!
ホントに来たの?拓海…』

優が「誰だ?」
と訝しげな表情をした。

『優さん、
私の弟です。美藤拓海と言います。
……拓海!来るなら連絡しなさいよっ…』
小声で怒るめぐるに、
『アキちゃんに許可取ったよ♪
土日俺泊まりで良いってさ〜。
あ、どうも。姉が世話になってます』と優に頭を下げた。


優は『ああ、
弟さんだったんだ……
何度か見た気がしたから(笑)』
と笑う。


空気が解れた。
『近所の曽根崎です。
隣町の井田郵便局に勤めてます』
ペコッと拓海に礼をした。
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