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花咲く夜に
第8章 旅立
『いえ…
川崎さんが凄く良い方だから』
『あはは、あのオバサンめちゃめちゃラフだからね。あまり気張らずにやってよ。
―――めぐるちゃん。
貴斗のことなんだけど』
優が不意に真剣な声になった。
『えっ……』
『貴斗、
他所行ってるんだろ?
全く姿見ないもんな。
――俺のトコにこんな文章が届いた。
めぐるちゃんに伝えようかどうか悩んだけど…』
言いながら優はスマホを内ポケットから取り出した。
紅茶缶を駐車場のコンクリートの上に置く。
スマホをスクロールさせた。
めぐるは心臓がバクバク跳ねる。
『――これ』
優が画面をめぐるに見せる。
文字が連なっている。
めぐるはその文字を、目で追う。
〔いきなり1ヶ月も休んでごめん。
自分の事で確認したいことがあって、東京に来てる。
たまにで良い。祖母さんとめぐるを見ててくれないか?
俺は確認が済み次第帰る。とくに、めぐるを見ててほしい。
勝手な事を言って済まない。
めぐるが不安がっていたり、辛そうなら「大丈夫だ」ってそっと言ってやってくんねぇかな。
俺、何も言わずに自分で決めて出てきちゃったから……体裁が悪くてめぐるに言えない。
美園さんと杏奈ちゃん、
産まれてくる子にも土産持って帰るから頼む〕
長文で、そうあった。
川崎さんが凄く良い方だから』
『あはは、あのオバサンめちゃめちゃラフだからね。あまり気張らずにやってよ。
―――めぐるちゃん。
貴斗のことなんだけど』
優が不意に真剣な声になった。
『えっ……』
『貴斗、
他所行ってるんだろ?
全く姿見ないもんな。
――俺のトコにこんな文章が届いた。
めぐるちゃんに伝えようかどうか悩んだけど…』
言いながら優はスマホを内ポケットから取り出した。
紅茶缶を駐車場のコンクリートの上に置く。
スマホをスクロールさせた。
めぐるは心臓がバクバク跳ねる。
『――これ』
優が画面をめぐるに見せる。
文字が連なっている。
めぐるはその文字を、目で追う。
〔いきなり1ヶ月も休んでごめん。
自分の事で確認したいことがあって、東京に来てる。
たまにで良い。祖母さんとめぐるを見ててくれないか?
俺は確認が済み次第帰る。とくに、めぐるを見ててほしい。
勝手な事を言って済まない。
めぐるが不安がっていたり、辛そうなら「大丈夫だ」ってそっと言ってやってくんねぇかな。
俺、何も言わずに自分で決めて出てきちゃったから……体裁が悪くてめぐるに言えない。
美園さんと杏奈ちゃん、
産まれてくる子にも土産持って帰るから頼む〕
長文で、そうあった。