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花咲く夜に
第3章 興味
『そうじゃないよー。
アンタの旦那にはならんかね』

『………へっ』


『年寄りの戯れ言と思って流してよ。
でもねぇ、タカが女の子連れて来たのは初めてなんだ』
めぐるは無言で肩を揉む。

『色々あるからさぁ。
……アンタも、
そうだろ?
責めてるんじゃないよ。
分かっちゃうんだよ、
この年齢になるとね』


何かって………
醍醐山桜での事を、
知っているんだろうか。


(めぐるは誰か見ていたのかも知れない)
と訝った。知られたら追い出されるかも……


が、昭恵の口から出たのは違う意味合いのセリフだ。
『男で何かあっただろ。

……良いんだ、
何かはあるから……
タカも』


『え、貴斗……さん何かあったんですか?』


『聞いてないかい?
じゃあ、
アタシからは言わないでおくよ。
まぁ、何だ、めぐるちゃんはここに居てよ。ちゃんと御実家には連絡はするんだよ』


肩を揉まれ、
うとうと眠くなって来たのか昭恵さんは座椅子に凭れたまま…
スー…と寝息を立て始めた。

(何かはあるのかぁ……
じゃなきゃおかしいよね。私みたいな素性が分からない女を直ぐ家に置かないかな……)

気になった。。

今更である。

(今更ではあるのだけど、ただ世話になって住んでるだけだしなぁ……
聞き難い)


めぐるは別室から膝掛けを持ってきて、
昭恵にふわりと掛けた。


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