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花咲く夜に
第4章 衝撃
『………めぐる。
めぐるさん』
機嫌が良さそうにニヤニヤ笑いながら呼ぶ。
『……何よ……』
『いや……
起きて直ぐ顔見たら嬉しかった(笑)』
『………………』
これは、偽り?
それとも………
『あっ!!
めぐる、雨止んだか?!』
貴斗が立ち上がる。
『……あっ。
雨音は、小さくなったけど』
『見てくる、
牛舎と畑!
めぐるは今日はもう寝てて』
そう言うと慌てて部屋を出ていく。
めぐるは、
「寝てて」と言われても俄に焦った。
私も同じ仕事に従事しているのだ。
『私も行く!』
と駆け出した。
大きな懐中電灯を各自持ち、
長靴を履いて泥濘(ぬかるみ)を進む。
雨は少し緩やかにはなっていた。
が、そのぶん風が出ている。
小さな嵐のようだ。
昭恵も起きているようで、1階は玄関にも灯りを点けていた。
裏庭に回って牛舎を覗く。懐中電灯で照らした。
異常は無さそう……
貴斗が『畑見てくるから!』
と言い背中を向けた。
『だめっ、私も行く!』
『……溝があるから危ないぞ』振り返り告げるが、
『大丈夫!
気をつけるから。』
とめぐるは真摯な目を向ける。
『……分かった。
足元だけは気をつけろ。
道路も、沼のようになってる筈だ。滑り易いから、足を地面に向かって垂直に下ろすように歩け』
『わかりました』
2人はそろそろと進む。
畑は家からは100メートルほど離れていた。
畦道(あぜみち)と呼ばれる歩道を歩いて、
じわじわと進んだ。
畑に着く。
水捌きポンプは正常に作動していて、
溝にある小川へと泥水を捌けてくれる。
『よし』
貴斗の声に安堵した。
『帰ろう』
踵を返して揃って戻る。
家まであと数メートル………という所で、
人の怒鳴り声がした。
2人はハッと声がした方向を見る。
『貴斗くん!!
貴斗く………』
『……美園さん?!
どうしたの?』
見ると、曽根崎美園は杏奈ちゃんを抱っこしたままで傘も差さずに右往左往していた。
めぐるさん』
機嫌が良さそうにニヤニヤ笑いながら呼ぶ。
『……何よ……』
『いや……
起きて直ぐ顔見たら嬉しかった(笑)』
『………………』
これは、偽り?
それとも………
『あっ!!
めぐる、雨止んだか?!』
貴斗が立ち上がる。
『……あっ。
雨音は、小さくなったけど』
『見てくる、
牛舎と畑!
めぐるは今日はもう寝てて』
そう言うと慌てて部屋を出ていく。
めぐるは、
「寝てて」と言われても俄に焦った。
私も同じ仕事に従事しているのだ。
『私も行く!』
と駆け出した。
大きな懐中電灯を各自持ち、
長靴を履いて泥濘(ぬかるみ)を進む。
雨は少し緩やかにはなっていた。
が、そのぶん風が出ている。
小さな嵐のようだ。
昭恵も起きているようで、1階は玄関にも灯りを点けていた。
裏庭に回って牛舎を覗く。懐中電灯で照らした。
異常は無さそう……
貴斗が『畑見てくるから!』
と言い背中を向けた。
『だめっ、私も行く!』
『……溝があるから危ないぞ』振り返り告げるが、
『大丈夫!
気をつけるから。』
とめぐるは真摯な目を向ける。
『……分かった。
足元だけは気をつけろ。
道路も、沼のようになってる筈だ。滑り易いから、足を地面に向かって垂直に下ろすように歩け』
『わかりました』
2人はそろそろと進む。
畑は家からは100メートルほど離れていた。
畦道(あぜみち)と呼ばれる歩道を歩いて、
じわじわと進んだ。
畑に着く。
水捌きポンプは正常に作動していて、
溝にある小川へと泥水を捌けてくれる。
『よし』
貴斗の声に安堵した。
『帰ろう』
踵を返して揃って戻る。
家まであと数メートル………という所で、
人の怒鳴り声がした。
2人はハッと声がした方向を見る。
『貴斗くん!!
貴斗く………』
『……美園さん?!
どうしたの?』
見ると、曽根崎美園は杏奈ちゃんを抱っこしたままで傘も差さずに右往左往していた。