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花咲く夜に
第4章 衝撃
美園がTELをしている隙に、
めぐるは昭恵に『何がどうなってるんですか?』
と訊いた。
『ああ、アンタは知らんかいね………
ビニールハウスっちゅうのは、
ビニールが着いたまま風でひしゃげたら物凄い圧力がかかるんだ』
急に小声になり、
『数年前に……
近所の奥さんがそれで亡くなったんや』
と囁いた。
『あのときは、
台風が過ぎた後の吹き降りだった。大抵は台風の前にビニールを外して骨組みだけにしておくのよ。
ならば風が抜けるから、ひしゃげることは先ず無いのよ』
と付け加え、
『急な突風だけは………
天命や』
と暗い表情で呟いた。
めぐるは貴斗が青ざめた理由が分かった。
美園さんは携帯を切り、
『繋がりました。
直ぐ帰るって言ってます』と言う。
不安が伝染したのだろう、杏奈ちゃんが泣き出した。
(どうしよう……)
何か出来ることはないのか?
外は嵐のような風と雨だ。
『願うしかないよ。
貴斗が行ったんやろ?
夜中やし、
年寄りは寝てる。
男手があってもビニールハウスは立ち上がらへんのよ………』
その時、
めぐるの服のポケットから呼び出し音がした。
表示は【葛城貴斗】だ。
慌てて出る。
『もしもし?』
『めぐるか?
優さん、無事だった!
ただ……脚を骨折してるみたいだ。
救急車呼んでくれないか?』
『えっ、無事……
うん、わかりました!』
不安げに見る美園と昭恵に、
『無事だそうです。
ただ骨折があるかもしれないから、救急車を呼んでって』
『分かった』
昭恵が家の電話から119番をコールした…………
めぐるは昭恵に『何がどうなってるんですか?』
と訊いた。
『ああ、アンタは知らんかいね………
ビニールハウスっちゅうのは、
ビニールが着いたまま風でひしゃげたら物凄い圧力がかかるんだ』
急に小声になり、
『数年前に……
近所の奥さんがそれで亡くなったんや』
と囁いた。
『あのときは、
台風が過ぎた後の吹き降りだった。大抵は台風の前にビニールを外して骨組みだけにしておくのよ。
ならば風が抜けるから、ひしゃげることは先ず無いのよ』
と付け加え、
『急な突風だけは………
天命や』
と暗い表情で呟いた。
めぐるは貴斗が青ざめた理由が分かった。
美園さんは携帯を切り、
『繋がりました。
直ぐ帰るって言ってます』と言う。
不安が伝染したのだろう、杏奈ちゃんが泣き出した。
(どうしよう……)
何か出来ることはないのか?
外は嵐のような風と雨だ。
『願うしかないよ。
貴斗が行ったんやろ?
夜中やし、
年寄りは寝てる。
男手があってもビニールハウスは立ち上がらへんのよ………』
その時、
めぐるの服のポケットから呼び出し音がした。
表示は【葛城貴斗】だ。
慌てて出る。
『もしもし?』
『めぐるか?
優さん、無事だった!
ただ……脚を骨折してるみたいだ。
救急車呼んでくれないか?』
『えっ、無事……
うん、わかりました!』
不安げに見る美園と昭恵に、
『無事だそうです。
ただ骨折があるかもしれないから、救急車を呼んでって』
『分かった』
昭恵が家の電話から119番をコールした…………