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花咲く夜に
第5章 交錯
『…貴斗、
まだ戻ってこないよな?
俺から言ったって事はナイショにしてね。
アイツ家族構成が複雑なんだよ。
祖母さんと2人きりだろ?高校生の時から2人なんだ』
優さんは低い声で、
ベッド脇のめぐるに真剣に語り始める。
他の患者さん3人は、
リハビリなのかベッドが空だった。
『美世さんってのは昭恵さんが養女にした人なんだ。
子宝に恵まれなかったからって聞いたけど……
昭恵さんは美世さんが小さい頃に旦那を亡くした。
で、
美世さんは結婚して旦那と一緒にあの葛城宅に住んでたの。
言わば婿養子だね。
しばらくして貴斗が生まれてから、
美世さんは家に帰らなくなって荒れてたらしい。
理由ははっきりとは分からないんだけど。
環境を変えるために、
貴斗の父親は美世さんと貴斗を連れて大阪に住んだんだ。』
めぐるは黙って聞いていた。
(大阪……)
『……定かじゃないんだけど。
あくまで噂だよ。
貴斗は美世さんが浮気して出来た子だって聞いた。
で……
大阪で、貴斗は小学校から中学くらいまでいたはずだよ。』
優さんは、
コホン、と咳をして息を整えた。
探るようにめぐるの目を見上げた。
『めぐるちゃん、
この話は衝撃だとは思う………
辛くなるかもしれない内容なんだ。
……君が聞きたくないなら止めておくよ』
『…………聞きたいです。知りたい』
めぐるはバクバクする心臓の音を聞きながらも、
自分の意志に正直になった。
まだ戻ってこないよな?
俺から言ったって事はナイショにしてね。
アイツ家族構成が複雑なんだよ。
祖母さんと2人きりだろ?高校生の時から2人なんだ』
優さんは低い声で、
ベッド脇のめぐるに真剣に語り始める。
他の患者さん3人は、
リハビリなのかベッドが空だった。
『美世さんってのは昭恵さんが養女にした人なんだ。
子宝に恵まれなかったからって聞いたけど……
昭恵さんは美世さんが小さい頃に旦那を亡くした。
で、
美世さんは結婚して旦那と一緒にあの葛城宅に住んでたの。
言わば婿養子だね。
しばらくして貴斗が生まれてから、
美世さんは家に帰らなくなって荒れてたらしい。
理由ははっきりとは分からないんだけど。
環境を変えるために、
貴斗の父親は美世さんと貴斗を連れて大阪に住んだんだ。』
めぐるは黙って聞いていた。
(大阪……)
『……定かじゃないんだけど。
あくまで噂だよ。
貴斗は美世さんが浮気して出来た子だって聞いた。
で……
大阪で、貴斗は小学校から中学くらいまでいたはずだよ。』
優さんは、
コホン、と咳をして息を整えた。
探るようにめぐるの目を見上げた。
『めぐるちゃん、
この話は衝撃だとは思う………
辛くなるかもしれない内容なんだ。
……君が聞きたくないなら止めておくよ』
『…………聞きたいです。知りたい』
めぐるはバクバクする心臓の音を聞きながらも、
自分の意志に正直になった。