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魂喰い姫〜コンクイヒメ〜
第3章 取り戻し姫
『はぁ…………………』
窓から入る柔らかい日差しに、
大きな瞳を向けた。
『おや、どうしましたか姫様』
ばあやが編み物をしながら訊ねる。
姫の付き人である。
齢64。
姫が産声をあげる以前から仕えていた。
『明後日の夜のパーティー、
行かなきゃダメかしら?』
ふんわりとクセのある長い金髪。
姫はしかめっ面をしたが、
眉間のシワすら華美だ。
色白で淡い紫色のドレスがよく似合う。
コルセットでキュッと締めたウエストに、
手指に収まりそうに細い足首。
『行きたくないのは分かりますが』
ばあやは(またか……)と内心ため息をつく。
この姫様、
見た目とは裏腹で社交の場が苦手なのだ。
前のパーティーの時は途中で「帰りたい」と泣きだして王様の顔に泥を塗った。
王妃も怒り、
「貴女は一国の姫なんですのよ!?
そんなことでどうするの」と散々叱ったが当人はけろりとしていた。
______面倒くさいことが苦手なのだ。
作り笑いに、
お世辞にも美味いとは言えないオペラへの喝采。
水面下で行われる美の競い。
姫は裏を持つのが嫌であった。
取り繕い接することを【社交】と言うなら、
私は部屋から一歩も出なくても不満はないわ。
こういう娘である。
ばあやは『まあまあ姫様、
無言でお料理を頂くだけで宜しいのですから………』
と宥める。
どうにか参加させないと、
ばあやの首が飛びかねない。
窓から入る柔らかい日差しに、
大きな瞳を向けた。
『おや、どうしましたか姫様』
ばあやが編み物をしながら訊ねる。
姫の付き人である。
齢64。
姫が産声をあげる以前から仕えていた。
『明後日の夜のパーティー、
行かなきゃダメかしら?』
ふんわりとクセのある長い金髪。
姫はしかめっ面をしたが、
眉間のシワすら華美だ。
色白で淡い紫色のドレスがよく似合う。
コルセットでキュッと締めたウエストに、
手指に収まりそうに細い足首。
『行きたくないのは分かりますが』
ばあやは(またか……)と内心ため息をつく。
この姫様、
見た目とは裏腹で社交の場が苦手なのだ。
前のパーティーの時は途中で「帰りたい」と泣きだして王様の顔に泥を塗った。
王妃も怒り、
「貴女は一国の姫なんですのよ!?
そんなことでどうするの」と散々叱ったが当人はけろりとしていた。
______面倒くさいことが苦手なのだ。
作り笑いに、
お世辞にも美味いとは言えないオペラへの喝采。
水面下で行われる美の競い。
姫は裏を持つのが嫌であった。
取り繕い接することを【社交】と言うなら、
私は部屋から一歩も出なくても不満はないわ。
こういう娘である。
ばあやは『まあまあ姫様、
無言でお料理を頂くだけで宜しいのですから………』
と宥める。
どうにか参加させないと、
ばあやの首が飛びかねない。