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魂喰い姫〜コンクイヒメ〜
第1章 魂を喰らう
蓮の村には結【ユイ】という娘がいた。
この娘、気丈な質で…
齢12にして女だてらに馬を乗りこなした。
刀を振り、
鳥の首を跳ねるのが日課という。
破れた着物に素足で、
馬に乗る女は珍しい。髪を草で縛り、身体じゅう泥だらけだった。
結は噂を聞いてこう言った。
『よし、あたしが見てきてやろうじゃねぇか』
村の女たちは止めたが、
説得して聞くような女子(おなご)ではない。
男衆(おとこし)に混じって戦に行き、
叢(くさむら)で息を潜めて時を待ち玉袋の行方を突き止めるという。
結の母親は反対して泣き、兄妹は嘲って言った。『結も流石に戦をみれば、
腰を抜かすに違いない』
結は甲冑を着込み、
刀を持ち戦に備えた。
隣の國から戦の狼煙が上がった。
結は良い眼をしていたから、
頭(かしら)の後に続いた。
この娘、気丈な質で…
齢12にして女だてらに馬を乗りこなした。
刀を振り、
鳥の首を跳ねるのが日課という。
破れた着物に素足で、
馬に乗る女は珍しい。髪を草で縛り、身体じゅう泥だらけだった。
結は噂を聞いてこう言った。
『よし、あたしが見てきてやろうじゃねぇか』
村の女たちは止めたが、
説得して聞くような女子(おなご)ではない。
男衆(おとこし)に混じって戦に行き、
叢(くさむら)で息を潜めて時を待ち玉袋の行方を突き止めるという。
結の母親は反対して泣き、兄妹は嘲って言った。『結も流石に戦をみれば、
腰を抜かすに違いない』
結は甲冑を着込み、
刀を持ち戦に備えた。
隣の國から戦の狼煙が上がった。
結は良い眼をしていたから、
頭(かしら)の後に続いた。