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人妻温泉
第5章 その5(後)・ラストエピソード
今年の夏は暑い。これでもかと照りつける太陽。

佐藤ゆりは、
〔人妻温泉・をんなの里〕ホテル内で受付作業をしていた。


『ゆりさん、郵便でーす』
運営スタッフがゆりに手紙を渡した。
『私に?
誰かしら』くるっと裏返す。

『あら!』

早速封を切り読み始めた。

「拝啓 佐藤ゆり様

厳しい暑さになって参りました。
お久しぶりです、田川晴敏です。
数回訪れただけで覚えてらっしゃるかな……

あれから僕は訪れてません、大変申し訳ないです。
ゆりさん、
僕はあなたの作った〔人妻温泉・をんなの里〕にて女性の心の裡を覗き学ばせていただきました。
数人とああやって同じ空間で性を共有して、
分かったんです。

誰かを守りたい。
僕は好きな女性ができたら絶対に暴力なんかで支配しないぞという自分の強い気持ちが。

そして、そういう女性に出会うことができました。


僕は女性が苦手でして、
人妻温泉に行くまでは会社の女性としか話は出来なかったんです。
元々モテませんし(苦笑)
ですが、
ああやって2人で食事を取り…癒し合い、分け合うことで成長した気がしました。
自信もつきました。

今度夏休みを取り、
彼女の実家へ挨拶に伺う予定です。
あなたの作った施設は、
女性だけではなく僕も救われました。

どうか、
ゆりさんも身体には気をつけて…
頑張り過ぎないよう、
力を抜きつつ励んでください。
あなたの〔傷〕も知りたかったけれど…
僕は全身全霊で彼女を守り続けます。そして…ずっと心の中であなたとあなたが作った〔人妻温泉・をんなの里〕のファンで居続けます。
勝手ながら手紙を書かせていただきました。

ゆりさん自身も、ちゃんと癒されて下さいね。

では、失礼します。
感謝を込めて 田川晴敏」

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