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人妻温泉
第4章 その4
たっぷり2時間カフェに居た。

9時過ぎにゆっくり帰路につくことになる。

春から夏に変わろうかという時季。
夜道を歩くと清々しい………

『あの、田川さん。』少し改まった口調でそう言われて背筋が伸びた。
『はいっ?』

『よろしければ、
これからもこうして……
出掛けたり遊んだりしませんか』
綾加は恥ずかしそうに、
でも真剣な眼差しで言う。

俺は自分もそう思っていたから嬉しくて、
『……はい。
面白味もない男ですが、
よろしくお願いします』
とペコリと頭を下げた。


綾加が手を出した。
『え?』

『てっ、手……繋ぎませんか』

あ、そうかと綾加の小さく白い掌に手を置いて、繋ぐ。


柔らかくて温かい……


この女性を守りたい。
先は分からないけれど、
傷つけたくない。
全力で大切にしよう、
と晴敏は春の夜空に誓った。


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