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人妻温泉
第2章 その2
るりかは意外にも食事マナーがきちんとしており、
音を立てずにフォークとナイフで器用に食べている。
俺は苦めの珈琲を飲み、
ふとるりかの腕を見ると………
肘のちかくの腕の内側に数本の傷を見つけた。
(何か、事情ありかな…………)
見ては悪いと思って目を反らしたが、
るりかは視線に気付いていたらしい。
『………見られちゃった。あはは!これは古傷』
俺は何と返したら良いか分からずに無言で頷く。
『元、旦那がね。
暴力男だったんだぁ。
……あっ、ごめんなさいこんな話聞きたくないよね』誤魔化すように笑ったるりかが痛々しくて、
『………何も言えないけど、聞くだけならできる』
と俺は言う。
『元旦那とは、高校生のときから知り合いだったんだけど。
あたしは高校生で元旦那はもう働いてて。
子供だったんだよね…
付き合って直ぐに赤ちゃんが出来たの』
俺は高校生のるりかを想像したが、
上手く思い浮かばない。
『無知だったし、
本当に好きで好かれてると思って。
高校は辞めて、親の反対押しきって入籍した。…けど、子供が産まれたら彼が豹変したの』
『毎日帰ってこなくなって、たまにアパートに帰れば携帯ばかり弄って。
あたしも若かったから…子育てが分からなくて、
文句を言ったら暴力を振るうようになった』
若すぎる無知な夫婦がぼんやり浮かぶ。
俺は仕事しかしてこなかったから(モテないからだけども)、
結婚なんて想像できない。けれど大変だということは容易に想像がつく。
若すぎるならば、どちらかの親の援助も必要だろう。
音を立てずにフォークとナイフで器用に食べている。
俺は苦めの珈琲を飲み、
ふとるりかの腕を見ると………
肘のちかくの腕の内側に数本の傷を見つけた。
(何か、事情ありかな…………)
見ては悪いと思って目を反らしたが、
るりかは視線に気付いていたらしい。
『………見られちゃった。あはは!これは古傷』
俺は何と返したら良いか分からずに無言で頷く。
『元、旦那がね。
暴力男だったんだぁ。
……あっ、ごめんなさいこんな話聞きたくないよね』誤魔化すように笑ったるりかが痛々しくて、
『………何も言えないけど、聞くだけならできる』
と俺は言う。
『元旦那とは、高校生のときから知り合いだったんだけど。
あたしは高校生で元旦那はもう働いてて。
子供だったんだよね…
付き合って直ぐに赤ちゃんが出来たの』
俺は高校生のるりかを想像したが、
上手く思い浮かばない。
『無知だったし、
本当に好きで好かれてると思って。
高校は辞めて、親の反対押しきって入籍した。…けど、子供が産まれたら彼が豹変したの』
『毎日帰ってこなくなって、たまにアパートに帰れば携帯ばかり弄って。
あたしも若かったから…子育てが分からなくて、
文句を言ったら暴力を振るうようになった』
若すぎる無知な夫婦がぼんやり浮かぶ。
俺は仕事しかしてこなかったから(モテないからだけども)、
結婚なんて想像できない。けれど大変だということは容易に想像がつく。
若すぎるならば、どちらかの親の援助も必要だろう。