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君が泣かないためならば
第7章 い
パソコンに電源を入れ、ドキドキする気持ちに手が震える。
パソコンが完全に立ち上がるまで
手の汗を何度もぬぐった。
いつもはあっという間のその時間が
恐ろしく長く思える。
早く。早く立ちあがって。
立ち上がった途端、私のIDを求められる。
ポンと言う小さい音とともにパソコンの画面が開いた。
そして肝心のマスターファイルを開こうとして
またパスワードを要求される。
企画部で共通の今月のパスを入力した。
「あ・・・れ?」
開かない。
「なんで?」
私は何度も同じパスを入力する。
慌てて間違ったのかとゆっくりと注意深く入力するけどパソコンは
再度、正規のパスを要求してきた。
「なん・・・で」
「大文字のエヌ、ピリオド、ワイ、ピリオド。小文字でピー、エル、エイ、エヌ。
ニューヨークプラン、だ」
静かに言われたその言葉にハッとして入口の方を振り返る。
「チームパスじゃないと開かないよ」
そこには啓が無表情で立っていた―――
パソコンが完全に立ち上がるまで
手の汗を何度もぬぐった。
いつもはあっという間のその時間が
恐ろしく長く思える。
早く。早く立ちあがって。
立ち上がった途端、私のIDを求められる。
ポンと言う小さい音とともにパソコンの画面が開いた。
そして肝心のマスターファイルを開こうとして
またパスワードを要求される。
企画部で共通の今月のパスを入力した。
「あ・・・れ?」
開かない。
「なんで?」
私は何度も同じパスを入力する。
慌てて間違ったのかとゆっくりと注意深く入力するけどパソコンは
再度、正規のパスを要求してきた。
「なん・・・で」
「大文字のエヌ、ピリオド、ワイ、ピリオド。小文字でピー、エル、エイ、エヌ。
ニューヨークプラン、だ」
静かに言われたその言葉にハッとして入口の方を振り返る。
「チームパスじゃないと開かないよ」
そこには啓が無表情で立っていた―――