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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第1章 初めまして、恋するアイドルみゆりです❤︎

「しかしこうも思いませんか?あなたが忘れものをせず、そして私がTシャツを貸さなければ、このような諍いを防げたのでは、と。こうなる事態も予測できたはず。なのに対処出来なかった。これは完全に私の監督不行き届きです」
深く頭を下げた八反田さんは何やら悔しそうな顔をしていたと思う。
まるでアイドルグループには喧嘩は付き物だと言いたげでもある。
「ごめんなさい。私もついつい浮かれてしまって……すっかり持ち物なんて頭になくって……」
「つい昨日、言ったばかりですよ?」
「そ、そうなんですが……」
「あなたは不思議な魅力の子ですね?つい今の今まで大人の顔をして私を誘っていたのに、今はおつむの弱そうな子供の顔をしています」
褒められたのかわからなくて私は目をパチクリさせた。
ふっと笑った八反田さん。
……あ、可愛い。
張り詰めた空気が少しだけ弱くなるのを感じた。
「しかし、突然のお誘いはやめてください。私には妻と子が……」
「知ってますよ」
「言いましたっけ?」
「説明会のとき」
「変なことは覚えてるんですね」
あ、今バカな子って思ったでしょ。
その笑い方絶対そう。
「なんで笑うんですか?」
「笑ってませんよ」
「笑ってるじゃないですか!」
そう口調を荒げた私に八反田さんは甘い声を奏でた。
息を呑むって恐らくこういうときに使うんだろう。
「俺に犯されてぇのか?そんな恰好で甘えて」
雷鳴に全身が硬直した。
世界を八反田さんの声のみに集約させていた。
今更になって気が付く。
この人……声が凄くイイんだ……。
じゅくっと私の身体の一部が目を覚ました。

