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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋

「これ、これです!八反田さんのネクタイ!」
「……は?」
八反田さんは再び、意味が分かりませんと言った。
「さっきまで、私、八反田さんととってもよく似た人と、えっちなことをしてたんです。会ったこともなくて電話で話をするだけ。だけど、とっても似てるんです。もうずっと、あなた本人だと思ってます。ただの勘です。でも、ただそれだけで、私、恥ずかしい気分を抑えられなくて。八反田さんだって思い込んでると、私……」
「突然、何を言い出すのかと思えば……」
「私、すごく気持ちよくて……っ!それでっ……」
「風間……もういい、聞きたくない」
「なんでだか分かりますか!?」
「……聞きたくない。こんなふうにからかった、俺が悪かった……だから、いい加減にしてくれ。悪ふざけも大概にしろ」
「どうして?あれは八反田さんなんでしょう?」
「違う。俺は知らない。もう本当に、からかい合うのはよそう。お互い悪ふざけが過ぎた……それで終わりにしよう」
八反田さんは、酷く悲しい顔をしていた。
肉体的にも精神的にも私を責めようとしていたくせに、彼は突然怯えた子供みたいに、伏せ目がちにソファから立ち上がった。
視線を合わせようとしてくれない。
出逢ってからの時間の経過を知らせるように、いつの間にか目に掛かるくらいにまで伸びた彼の前髪が、特徴的なその鋭い瞳を覆い隠してしまう。
まるで今の彼は一般人以下の、ただの根暗な男の人に見える。
初めて逢ったときに目を見張った威圧感もオーラも、何も感じない。
「好きなんです」
その彼に、私は告げた。
それでも私の気持ちは変わらない。
追い掛けるようにソファから起き上がった私は、後退る八反田さんに想いを重ね続けた。
「好きなんです!どうしようもないくらい!結婚してても、子供がいても!毎日起きてから寝るまでずっとずっと考えちゃうくらい、好きなんです!だから、あなたにどんなことをされても、言われても、私は絶対嫌なんて言えません!!」

