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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第10章 裏切り
舌を差し込もうとする彼女の上に、八反田さんの舌が覆いかぶさる。
彼等のまだ慣れない営みを彷彿とさせる濃厚な口付け。
私は見ていられなくなって部屋を飛び出した。
追ってきて欲しかった。
それでも私を好きだと言って欲しかった。
2度もふられたなんて信じたくなかった。



でも、現実は何も変わらなかった。



ロビーを駆け抜けると、

「もう終わりですか?羨ましいな」

フロントの男にニヤつかれた。
ようやくその意味が分かった私はたまらず外に飛び出すと、ホテルの一室を振り返った。
4階の角部屋。
あそこで今、八反田さんは……。
じんわりと涙ぐんだ。

彼は私を選ばなかった。
奥さんと……なほこさんと何かあったとしても……。

私を選ぶことはなかった。


どうして?


あんなに


優しくしてくれたのに。


嫌でも巡らせてしまう。


最初から私なんて


好きじゃなかったんだと。


そして否定する。


それならどうして


私に好きだなんて言ったの?


わからないです……。


「八反田さん……」


ずっともなかさんと


付き合っていたの?


ううん、きっと違う。


まじめな八反田さんが


嘘なんて


つけるはずないもん。


私が


恋愛禁止の


アイドルだから?


まだ


未成年だから?


八反田さんは


いつも私を守ってくれてる。


なのに


私はあなたに


何もしてあげれないんですね……。







「そんなの……悲しいですよ」







ざぁと音が鳴る。


雨が


けたたましく


泣いていた。


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