この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第12章 みほこお姉ちゃんと王子様
だけど、物語はそこで終わりではなかったらしい。
続きを尋ねる前に私は、二四也くんがソファに寝付いてほっと一息していた2人に、ラベンダーティーを差し出した。
「お嫌いじゃなければ……どうぞ……。落ち着きますよ」
実は甘いのが好きな八反田さんの為に、お砂糖とミルクも添える。
すると彼はありがとうと言って席に着き、角砂糖を3つほど放り込んだ。
4つ目を入れようとした時にさすがに躊躇いが生じ、隣のなほこさんのカップにそれを落とした。
もう……と旦那様の行動に溜息するなほこさん。
私は……不思議なことに、なんだか二人を見て微笑ましくなってしまった。
くすっと笑うと、なほこさんは私に話しかけてくれた。
「お茶に詳しいの?姉の影響かしらね?」
優しく笑いかけてくれた彼女に、私はもう随分と逢っていないお姉ちゃんの面影を重ねた。
「はい……私が落ち込んでいると、いつもハーブティーやフレーバーティーを入れてくれました。香りは心を元気づけてくれるのよって」
私のお母さんが自殺して亡くなったことを知っていたお姉ちゃんは、私が一日も早く表情を取り戻すように願い、それを手伝ってくれた。
眠る前にはよくラベンダーティーを入れてくれたっけ。
「美味しいわ。ありがとう」
笑った彼女は、やはりよく似ている。
みほこお姉ちゃんに。
「……お姉ちゃんとは私、ずっと逢ってません。この家にも、帰ってきたことはありません……」
八反田さんの方を見ると、彼はティーカップに口を付ける前、香りを深く吸い込んだ。
……それから少しだけ飲み込んで……ゆっくりとソーサーの上にカップを戻した。
今も指で慈しむようにカップに触れている。
意地悪をした訳ではない。
でも思い出した私は戸棚の1番上、飾っていたスイートメモリーと言う名を持つティーセットを出したのだった。
……これは、お姉ちゃんが……。
私を連れ……。
王子様と……。
3人で買いに行った思い出の詰まった食器だ。
続きを尋ねる前に私は、二四也くんがソファに寝付いてほっと一息していた2人に、ラベンダーティーを差し出した。
「お嫌いじゃなければ……どうぞ……。落ち着きますよ」
実は甘いのが好きな八反田さんの為に、お砂糖とミルクも添える。
すると彼はありがとうと言って席に着き、角砂糖を3つほど放り込んだ。
4つ目を入れようとした時にさすがに躊躇いが生じ、隣のなほこさんのカップにそれを落とした。
もう……と旦那様の行動に溜息するなほこさん。
私は……不思議なことに、なんだか二人を見て微笑ましくなってしまった。
くすっと笑うと、なほこさんは私に話しかけてくれた。
「お茶に詳しいの?姉の影響かしらね?」
優しく笑いかけてくれた彼女に、私はもう随分と逢っていないお姉ちゃんの面影を重ねた。
「はい……私が落ち込んでいると、いつもハーブティーやフレーバーティーを入れてくれました。香りは心を元気づけてくれるのよって」
私のお母さんが自殺して亡くなったことを知っていたお姉ちゃんは、私が一日も早く表情を取り戻すように願い、それを手伝ってくれた。
眠る前にはよくラベンダーティーを入れてくれたっけ。
「美味しいわ。ありがとう」
笑った彼女は、やはりよく似ている。
みほこお姉ちゃんに。
「……お姉ちゃんとは私、ずっと逢ってません。この家にも、帰ってきたことはありません……」
八反田さんの方を見ると、彼はティーカップに口を付ける前、香りを深く吸い込んだ。
……それから少しだけ飲み込んで……ゆっくりとソーサーの上にカップを戻した。
今も指で慈しむようにカップに触れている。
意地悪をした訳ではない。
でも思い出した私は戸棚の1番上、飾っていたスイートメモリーと言う名を持つティーセットを出したのだった。
……これは、お姉ちゃんが……。
私を連れ……。
王子様と……。
3人で買いに行った思い出の詰まった食器だ。