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第12章 みほこお姉ちゃんと王子様

――あっあ、ぅぅ……！

あそこが熱くなりもう堪えられないと思ったときだ。
それから２人は、不死鳥みたく揃って声をがなり立てた。
まるでそれが自然であるかの如く、２人の欲望が交わり虚空に召されていく。

「いくっいく、俺っ！ああっいくぅっ！うッ！うッ！ウッぅぅ……」

「アァァン！イイッ！出されてる……あぁ、ふみすけくぅぅん！アァァぁぁぁん！」

引き付けを起こしていたのはお姉ちゃんだった。
男の衝動が尽きたあとも、全てを貪り搾りきることを望むようにふみすけさんのお尻の辺りをがっちり足でホールドし、自ら腰を上下にグラインドさせている。
とろんと溶けてだらしなくなった顔。
お姉ちゃんのあんな表情を、わたしは今まで見たこと無かった。
耽溺したまま浮上出来ずにいる彼は、そんなお姉ちゃんの頬を包んだ。

「すみません……俺っ、余裕なくて……中にっ……」

「へいき。ね？まだおっきい、よ？」

甘えたようにキスをせがんだお姉ちゃん。
ふみすけさんは答えるようにもう一度お姉ちゃんを抱いた。
際限なく続く２人の愛の交歓。
最後まで見続けていようと思ったが、到底不可能だった。
一人で慰めることにもう満足した幼い躰では……。

「あっあっ……ふみすけくんっ！もっと！」

「みほこさんっ！みほこさんっ！」

それはふと心を苦しめてくる。
今の今まで夢中でいたにも関わらずだ。
こんなの、見ていられなくなる。

「あんっあぁ……いいっ、いいのっ！おま○こ気持ちいい！おかしくなっちゃう！」

「フゥーッフゥーッ！これも、いい、ですか……!?じゃあ、もっと、こう……したら……」

「あはぁんっ！それも、いい！奥！当たるわっ！」

「……全部呑み込んで喜んでしまうなんて……ほんとにすけべなひとですね……みほこさんは……」

「アアッ！だって……満たされたいんだもの……!」

「……何に？」

「なにって……」

「俺に？それとも……俺のザーメンに？」

「そんなことっ……」

「どっちですか？」

「あぁん……」

「言って下さい……」

「どっちもよ……」

見て、いられなかった……。
一人で自分を慰めるしか出来ないわたしには、こんなにお互いを求め合う２人がなぜだか美しくて。
綺麗で。
いやらしくて。
羨ましくて。

そして、手に入らなかったものがまた一つ、わたしの中に増えたことを理解した。