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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第12章 みほこお姉ちゃんと王子様
「ああっ!」
2人の情熱が交わり続ける中、わたしはフローリングに滴り落ちた淫汁に涙を一粒加えていたことに気にも付かず、くまちゃんを連れて自室へと戻っていた。
そしてその日は一晩中、階下のふたりを思い浮かべては悲しみと悔しみを飲み込み続けた。
わたしの隣にくまちゃんだけが物言わず寄り添ってくれていた。
❤︎
翌朝は、ほんの数秒目を閉じた後にやってきた。
寝返りを打つとわたしの横にはお姉ちゃんが居たのだった。
「ん……もう朝?」
目覚まし時計に起こされたお姉ちゃんは、大きなあくびをあわわと手で抑えてから、ベッドから降りた。
カーテンを開き太陽光を招き入れる。
「今日も良いお天気ね。デート日和だわ」
寝ぼけ眼を擦り、背伸びをするお姉ちゃんを眺めていたわたしは、彼女におはようの挨拶もないまま尋ねていた。
「お姉ちゃん、王子様は?」
お姉ちゃんは王子様と一緒に眠るんだと思っていた。
だからどうしてここにいるの?
なんて口の利き方はどうしても出来ずにいた。
「下にいると思うわ。布団出しておいたから」
「会いに行ってくる!」
布団を放り投げ、くまちゃんを引き連れて部屋を飛び出した。
王子様は、まだこのお城の中にいる。
階段を駆け下り閉じられたあのリビングのドアをガラリと開け放った。
床の染みは忽然と姿を消していたけれど、わたしはそこをぴょこんと飛び越えていた。
「王子様っ!」
布団にダイブ。
「うごぁっ!」
苦しそうな声がしたけど、構わずわたしは王子様に張り付き続けた。
「王子様王子様王子様!」
キャッキャッとはしゃぐわたし。
すると、とうとう王子様は怪獣に化けてしまった。
「ガォー!誰だあ!安眠を邪魔する悪い子はぁー!」
「きゃあー!あはははっ!」
布団の中に包め込まれ躰をくすぐられるわたし。
目の前の素敵な怪獣にすぐに降参しちゃう。
「ごめんなさいごめんなさい王子様!もうしませぇん!」
「悪い子いなくなった?なら許してあげよう」
「はい、ごめんなさい王子様。おはようございます」
「うん。おはようございます。みゆりちゃん」