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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第15章 ごっこ遊び
馬鹿らしいといった具合に白衣を放り投げ、衣服を正してしまった彼が遠くに感じる。
何故、今まで私のくだらない遊びに付き合ってくれていたのか。
酔っぱらって、私を何度も抱こうとして、失敗していたのか。
失敗?
そんなの……。
この人が望めばそんなもの。
いつだって壊すことが出来たのではないか。
今更になって、気が付く。
じゃあなんで……。
どうして奪わなかったの?

そう考えたとき。

彼の心の声に、ようやく辿り着けた気がして。

「ごめ……なさ……」

私はきっと心の底でわかっていたのだ。
そんなの……。
そんなこと……。
だって信じられなかったんだもの。

「うわぁぁぁあん!ごめんなさぁぁぁぁい!」

――この人に好かれていること。
本当はとても、ものすごく、この人に愛されているということ……。

「ごめんなさい八反田さん!ごめんなさい!嘘ついててごめんなさい!」

私は私のことばかり考えて、この人の気持ちをいつだって蔑ろにしていたのだ。

「おかえり。可愛いみゆりちゃんの可愛い声」

私はなんて馬鹿なのだろう。
べっちょり汚れたフローリングにあひる座りに崩れた私は上も下も泣き濡らして。
わんわんと号泣していた。
すると八反田さんは私の頭をゆっくり撫で回してくれた。

「うわぁん、ごめんなさい八反田さん!八反田さん!怒らないで!嫌いにならないで!」

「嫌いにならないよ。なる訳がないだろう」

「ごめんなさいごめんなさい!我が儘ばっかり言って!甘えてばっかりでごめんなさい!ずっと黙ったままでいてごめんなさい!」

「……うん。いいよ。わかれば……いいんだ。それに、俺も悪かったな。無理矢理して」

その言葉に全力でふるふる首を振ると、八反田さんは私の前にしゃがみ込んだ。
涙を拭われ頬に手をかけられる。
私の目を見つめる八反田さんの真摯な眼差しに心を奪われて……。
ああ、これ……。
いつか夢見た八反田さんとの理想のキス……。

互いの唇がそっと触れ合う直前、私は想った。

アイドルを続けて八反田さんと好き合うのはワガママなことなのかな。

誰も許してはくれないの?

夢と恋を、欲しがることの何がイケナイことなんだろう。

誰も、祝福してはくれないのかな?

八反田さんと長い長いキスをしながら、私はずっとずっとその答えを考えていた。
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