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いろごとプリズム
第3章 文芸部の新入生
「ああ花見川くん!ごめんね。わたし部長の望月優奈、3-Aです。こっちは副部長の高岡紗彩、一緒のクラスで、ご存知の通り遠恋中~!」
「よろしくお願いします」
「よ、よろしく……」
「花見川くんかっこいいね。彼女いるの?まだ入学したばかりだからいないか」
優奈のテンションは続く。
「はい、いません。セフレなら何人かいますよ」
「はぁぁっ!?!?」
サーヤと優奈は口をあんぐり開けた。なんだこの大胆な一年生。
「そんな驚くことですか?したがる女がいっぱいいるんですよ」
「い、いや、その……」
堂々たる態度に何も言えなくなる。
「そういう望月先輩は、彼氏は?」
「あ、うん。います。芹沢っていうクラスメイト」
「優奈はラブラブだもんね……もう一年ぐらい、だっけ?」
芹沢修人は3-Aの学級委員だ。サーヤは毎日のようにのろけを聞かされている。
「へぇ……。それで、高岡先輩は、遠恋で身体が疼いてる、と」
「ちょっ、ちょっとー!そんなこと言ってないでしょっ」
「だって寂しいってそういう意味でしょう?違うんですか」
もう……、この一年にはどこまで振り回されるんだろう。さすがの優奈も呆気にとられている。
「で、先輩がた、作品はあるんですか?小説とか」
「あ、あるよ。一応部誌を作ってるから読んでみて。はいこれ」
優奈が昨年度の部誌を一部手渡すと、花見川はパラパラとページを開いた。
「ありがとうございます。僕の作品は……、これです」
彼が差し出したのは、新講社の中学生部門小説大賞だった――。
「え……、これっ、大賞 花見川匠『融合時代』、って……大賞!?!?」
「ふっ、そうです、これが僕です」
聞くと花見川は作家と舞台女優の息子で、セレブのお坊ちゃまであり、小学生時代から小説をたくさん書いてきている生粋の将来有望作家のタマゴであった。
「うわぁ……すっごい花見川くん!」
「まだまだですよ、中学生部門じゃ当然です」
「サーヤも小学校時代になんかで佳作取ったんだよね?」
「ちょっ、優奈……、今、それ言う……?」
サーヤは情けない思いだった。年下なのにこんなにすごい子がいるなんて……。
「よろしくお願いします」
「よ、よろしく……」
「花見川くんかっこいいね。彼女いるの?まだ入学したばかりだからいないか」
優奈のテンションは続く。
「はい、いません。セフレなら何人かいますよ」
「はぁぁっ!?!?」
サーヤと優奈は口をあんぐり開けた。なんだこの大胆な一年生。
「そんな驚くことですか?したがる女がいっぱいいるんですよ」
「い、いや、その……」
堂々たる態度に何も言えなくなる。
「そういう望月先輩は、彼氏は?」
「あ、うん。います。芹沢っていうクラスメイト」
「優奈はラブラブだもんね……もう一年ぐらい、だっけ?」
芹沢修人は3-Aの学級委員だ。サーヤは毎日のようにのろけを聞かされている。
「へぇ……。それで、高岡先輩は、遠恋で身体が疼いてる、と」
「ちょっ、ちょっとー!そんなこと言ってないでしょっ」
「だって寂しいってそういう意味でしょう?違うんですか」
もう……、この一年にはどこまで振り回されるんだろう。さすがの優奈も呆気にとられている。
「で、先輩がた、作品はあるんですか?小説とか」
「あ、あるよ。一応部誌を作ってるから読んでみて。はいこれ」
優奈が昨年度の部誌を一部手渡すと、花見川はパラパラとページを開いた。
「ありがとうございます。僕の作品は……、これです」
彼が差し出したのは、新講社の中学生部門小説大賞だった――。
「え……、これっ、大賞 花見川匠『融合時代』、って……大賞!?!?」
「ふっ、そうです、これが僕です」
聞くと花見川は作家と舞台女優の息子で、セレブのお坊ちゃまであり、小学生時代から小説をたくさん書いてきている生粋の将来有望作家のタマゴであった。
「うわぁ……すっごい花見川くん!」
「まだまだですよ、中学生部門じゃ当然です」
「サーヤも小学校時代になんかで佳作取ったんだよね?」
「ちょっ、優奈……、今、それ言う……?」
サーヤは情けない思いだった。年下なのにこんなにすごい子がいるなんて……。