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いろごとプリズム
第10章 悠真が欲しい
ゆったりとバスタブに浸かりながら、サーヤはぼーっと考えていた。ここ数日にわたる激動のエッチな日々の中、挿入まで至ったのが久しぶりだったことを抜いて考えても、小暮の腰使いは確実にショウマよりも上だった。ショウマも小暮もあれが初めてのセックスであり、テクニックに自信がないのは同じなわけで……、サイズがそんなに違ったわけでもなく、前戯や愛撫が綿密だったわけでもない。どちらかと言えば自分勝手な欲望のままの行為だった。それなのに小暮のあの激しいピストンにどれだけ興奮させられたか……と、思い出すだけでナカがきゅうっと締まる。

(小暮くん……、あんなになるまで我慢してくれてたんだ……)
思い起こしながらクリトリスを弄る。小暮にはイカされなかったけれど、ショウマとした時のような欲求不満は残っていない。何故だろう……?
(小暮くん、すごく夢中だった……本当に嬉しそうにしてくれた……)
その貪欲さを隠すことなく見せつけるまっすぐな姿勢、そしてそれがよく表れたセックスが、サーヤの心を満たしたのだった。

「……っ、んんっ……」
まだ生々しい挿し込まれた感触に酔いしれながら、自慰をする。ショウマは、ショウマのセックスは……、そういう一生懸命さが感じられなかった。どこかよそいきのまま、というか。悠真に話していた、自分への独占欲も、熱い想いも、それほど感じられなかった。それがサーヤに物足りなさを与えていたのだった。もし、ショウマも、悠真も、花見川も、小暮のように夢中で自分にぶつかってきて、挿入までしたら……?想像すると、果てしなく興奮する。
「……っ!……」
したい、みんなとセックスしたい……、私に夢中になって、激しく奥まで突いて欲しい……。そんなとんでもなく淫乱な妄想をしながら、サーヤは自分でオーガスムを迎えた。

風呂から上がると、メールが入っていた。ショウマからで、びくっとする。
「サーヤ、元気ですか?明日の夜、そっちに帰ることになったよ。明後日の木曜、会える時間ある?」
どうしよう……。そう思ってメールを見つめていた時、電話が鳴った。
『着信:神山悠真』
こんな時に……!と思いながら、電話に出る。
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