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いろごとプリズム
第10章 悠真が欲しい
――と、その時。
悠真の部屋のドアが開いた。
「……どういうことなんだ」
そこに立っているのはショウマだった。
「兄貴っ、なんでこんな時間にっ……」
「嘘、ショウマ君……っ!?」
驚いて身を離し、座る姿勢になってみたものの、この状態で何も隠す事などできるわけがない。修羅場とはまさにこの事……。
「少し早く帰ってみればこれかよ。……ふざけるなっ!!」
温厚なショウマが怒鳴り、部屋全体が緊張感に包まれた。
「サーヤ、来い」
ショウマは全裸のままのサーヤの手を掴む。
「兄貴っ……、」
「うるさい!お前に話すことは何もないっ」
「あ……、」
サーヤは悠真を振り返りながら、ショウマに手を引かれ、ショウマの部屋へと連れて行かれた。
「……っ、畜生……っ!!」
悠真は頭を抱えた。怒りと嫉妬と自己嫌悪と欲望が渦巻く張り裂けそうな胸の内。
「くそっ、どうして……っ!オレが先に……出会えなかったんだよ……っ!……」
感情の渦巻きに思考が追いつかず、悠真は涙を流した。