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いろごとプリズム
第14章 恋の相手
「いやー、でもさ小暮くん妬いてるだろうね……あの花見川くんの宣戦布告からの、でしょ?」
まだ二人とここまでの関係になる前――、小暮先輩も高岡先輩とやりたいんでしょ?ねぇ高岡先輩?決めるのは先輩ですよ。恋は無理にするものじゃない。先輩が欲しい男を欲しがればいい――。花見川は小暮とサーヤの前でそう宣戦布告していた。
「でもさぁ榊さん頑張ってるの見たら私、適当なことできないなって……」
榊かすみが小暮に本気であることは見ていてよくわかったので、サーヤは小暮との関係を断っている。
「あの子ねー。すごいよね。サーヤにライバル意識丸出しだし、独占欲すごそう」
「でもさ、そういう子の方がきっと合うよ、小暮くん」
「そうかもねー!ん~私は小暮くん推しだったのになー、ちょっと残念」
サーヤは自分に小暮への独占欲がまったくない事に気付いていたし、花見川が性欲を満たしてくれているので、もう榊に譲ったつもりになっている。
「そういえばさ、ショウマ君からメール来たんだ。名古屋で彼女ができたんだって!」
メールが来たのは昨夜のことだった。
「マジで!?あぁなんか良かったねぇ!」
「うん、すごく幸せそうな感じでね。ホッとした」
「どんな子なんだろう?」
「えーと、なんかね、積極的な子だって書いてあった」
サーヤがメールを開きながら優奈に伝える。そのメールからはショウマらしからぬ様子が伺えて、良い出会いだったのが汲みとれた。
「なるほどね。そういう方がよかったのかもだね。……で、弟くんの方は?」
「あ、うん……。全然」
「そっか……」
サーヤの胸が痛んだ。あれから悠真とは、一切連絡を取っていない。隣に住んでいながら、インターネットで動向を探るしかできなくなっている。かたやインターネットだけの繋がりだったはずの歌い手ルーナは、悠真と会っているということが、ネットを通してわかったのがまた皮肉なものだった。
まだ二人とここまでの関係になる前――、小暮先輩も高岡先輩とやりたいんでしょ?ねぇ高岡先輩?決めるのは先輩ですよ。恋は無理にするものじゃない。先輩が欲しい男を欲しがればいい――。花見川は小暮とサーヤの前でそう宣戦布告していた。
「でもさぁ榊さん頑張ってるの見たら私、適当なことできないなって……」
榊かすみが小暮に本気であることは見ていてよくわかったので、サーヤは小暮との関係を断っている。
「あの子ねー。すごいよね。サーヤにライバル意識丸出しだし、独占欲すごそう」
「でもさ、そういう子の方がきっと合うよ、小暮くん」
「そうかもねー!ん~私は小暮くん推しだったのになー、ちょっと残念」
サーヤは自分に小暮への独占欲がまったくない事に気付いていたし、花見川が性欲を満たしてくれているので、もう榊に譲ったつもりになっている。
「そういえばさ、ショウマ君からメール来たんだ。名古屋で彼女ができたんだって!」
メールが来たのは昨夜のことだった。
「マジで!?あぁなんか良かったねぇ!」
「うん、すごく幸せそうな感じでね。ホッとした」
「どんな子なんだろう?」
「えーと、なんかね、積極的な子だって書いてあった」
サーヤがメールを開きながら優奈に伝える。そのメールからはショウマらしからぬ様子が伺えて、良い出会いだったのが汲みとれた。
「なるほどね。そういう方がよかったのかもだね。……で、弟くんの方は?」
「あ、うん……。全然」
「そっか……」
サーヤの胸が痛んだ。あれから悠真とは、一切連絡を取っていない。隣に住んでいながら、インターネットで動向を探るしかできなくなっている。かたやインターネットだけの繋がりだったはずの歌い手ルーナは、悠真と会っているということが、ネットを通してわかったのがまた皮肉なものだった。