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いろごとプリズム
第14章 恋の相手
「なんかね……。あの歌い手の子と会って、いい感じになってるのかなぁって思うと……、すごく悲しいんだ……。どうして早く気付かなかったのかなって後悔してる……。ちゃんとショウマ君ともっと早く別れて、悠真の気持ちに応えていれば……って」
「好き、なんだね。サーヤは、弟くんが」
「そうなんだと思う……」
それを考えると自己嫌悪と後悔の念に押しつぶされそうになる。そんな闇を花見川との性欲のぶつけ合いで追い払っている現状だ。
「まだわかんないじゃん、その歌い手とのことはさ。だから諦めちゃダメだよ、好きなんだったら。ちゃんと伝えないと。ね?」
「そうだね……、そう思ってはいるんだけどね……」
カミマPこと悠真が作ったボカロ曲をルーナが歌っているのを聴くだけで、胸が張り裂けそうになる。それが恋だと気付くまで、サーヤには時間が必要だった。
そして気付いてからというもの、悠真への想いが性欲とはかけ離れたところへ進んで行って、今までした性的な行為よりも、二人で他愛もなく遊んで過ごしていたあの部屋での時間の方が尊く感じられるようになっていった。またいつものように、一緒にゲームをしたい。新曲を真っ先に聴かせて欲しい。漫画を読んだりお菓子の取り合いっこをしたり、DVDを見て語り合ったりからかい合ったりしたい……一緒に笑いたい……
そして、他の子とそういう時間を過ごして欲しくない。それが恋だと、ようやく気付いたのだった。
「好き、なんだね。サーヤは、弟くんが」
「そうなんだと思う……」
それを考えると自己嫌悪と後悔の念に押しつぶされそうになる。そんな闇を花見川との性欲のぶつけ合いで追い払っている現状だ。
「まだわかんないじゃん、その歌い手とのことはさ。だから諦めちゃダメだよ、好きなんだったら。ちゃんと伝えないと。ね?」
「そうだね……、そう思ってはいるんだけどね……」
カミマPこと悠真が作ったボカロ曲をルーナが歌っているのを聴くだけで、胸が張り裂けそうになる。それが恋だと気付くまで、サーヤには時間が必要だった。
そして気付いてからというもの、悠真への想いが性欲とはかけ離れたところへ進んで行って、今までした性的な行為よりも、二人で他愛もなく遊んで過ごしていたあの部屋での時間の方が尊く感じられるようになっていった。またいつものように、一緒にゲームをしたい。新曲を真っ先に聴かせて欲しい。漫画を読んだりお菓子の取り合いっこをしたり、DVDを見て語り合ったりからかい合ったりしたい……一緒に笑いたい……
そして、他の子とそういう時間を過ごして欲しくない。それが恋だと、ようやく気付いたのだった。