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いろごとプリズム
第14章 恋の相手
「ねぇ」「あのさぁ」
「……何。お前先に言えよ」
「いや、悠真が先でどうぞ」
「……だよ、ったく。あのな、彼女じゃない。あの子は今ギター借りにきただけ。下で渡したらすぐ帰る」
サーヤの不安がかき消され、顔が明るくなる。
「そ、そうなんだ!そっか、悠真ギターいっぱい持ってるもんね。そっか、へぇ、そっかー」
その様子を見て、悠真も頬を緩めてしまう。
「……何だよ。何喜んでんの」
「えっ!?違うよべつに、喜んでとかないし、あのっ、じゃあまたっ」
「おいちょっと待てよ」
悠真がサーヤの腕を掴む。
「話したいから俺の部屋で待ってろ」
「えっ」
悠真は自宅の鍵を開け、サーヤを通した。貸す約束をしているギターを持ちだすと、サーヤを部屋に残し、エントランスロビーへと向かっていく。
「5分で戻るから。ここにいろよ?」
「うん……」
よくわからないけど、またこの部屋に来れた事が嬉しい。これからどうなるんだろう……とサーヤは胸をかき乱されていた。
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