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いろごとプリズム
第15章 神山家の事情
毎日のように訪れていた悠真の部屋。しばらく来なかっただけなのに、サーヤは懐かしさに包まれる。楽器に機材、CDにゲームに本や雑誌。ごちゃごちゃと物で溢れていて、決して片付いてはいないけど、慣れ親しんだ落ち着く空間……。そして、その匂い。戻ってきた、というような気分になったサーヤは、深呼吸をして胸に大きく息を吸い込んだ。

(悠真のにおいがする……)

それだけで顔がほころびてきてしまい、そんな自分がやっぱり悠真を好きなんだなぁと実感する。あの子は彼女じゃない、尋ねなくても言ってくれたその言葉も嬉しかった。

(それにしても、あの子ここに入ってこなくて良かったなぁ……)

5分で戻る、と言ったものの、もう10分経過している。少しだけ不安になりながらも音楽雑誌を広げて見ていると、15分ぐらい経ったところで悠真が戻ってきた。
「悪ぃ、5分以上かかったな」
「いいよ全然」
「いや、ちょっと……、部屋に入りたいとか駄々こねられてさ」
「えっ……?」
サーヤは少しドキッとした。
「あいつさ、オレのファンっていうか、オレの曲を歌ってくれてる子なんだけど」
「うん、知ってるよ。ルーナっていうんだよね」
「え、知ってんの?」
「うん……、だってネットで見てるから」
「そっか」

サーヤに見られているとは思っていたなかった悠真は、どことなく照れくさそうだ。
「悠真のことすごく気に入ってるみたいだよね。最近、会うようになったんだよね?」
「ん……、そこまで知ってんのか」
「うん。でも……、実際、会ってどうなったのかは知らないよ」
「そうだよな。えーと、スタジオ入ったり食事したり……、そんで、告られた」
サーヤの胸がズキンと痛む。
「ああ、うん……やっぱりね」
「適当に流してたんだ……どうせ本気じゃねーだろ、ボカロPに憧れて誰彼構わず声かけてんだろ?ってさ。でも結構しつこいって言うか……、本気っぽくて」
「それで?まんざらでもない?可愛いしね」
「いや、けどオレ……、お前しか考えらんねーし。そう言った」
サーヤは目を丸くして頬を染める。
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