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いろごとプリズム
第15章 神山家の事情
「それでも諦めないとか、マジしつこくてさ、今日もギター貸してとか理由つけてこうして地元まで来て……、今も渡して帰そうと思ったら部屋に上げろときたもんだよ」
なかなか手ごわい相手のようだ。
「それって……、調子の良いこと言ってきたせいじゃないの?えっちなことでもお願いするとかそういう」
「おま……、そんなのも見てたの?」
「見てたよ。見てないと思って言ってたの?」
「いや違うって。あれはなんて言うの、社交辞令っていうかノリっていうか」
「女の子にそういうの通用しないと思うけど」
サーヤに真髄を突かれ、悠真はぼそっとつぶやいた。
「そういうことなんだろうな……。さっき下で、部屋に上げて、抱いて、って言われてさ……」
メラメラと嫉妬の炎がわきあがるのを感じるサーヤ。
「ほら見なさいよ。思わせぶりなこと言うからそうやって、」

「いや、でもオレ、はっきり言ったぞ、今オレの好きな人が部屋にいるから無理、って」
「……っ!」
真っ直ぐに目を見つめてそう告げた悠真。嬉しい。それが思わず目に現われてしまう。けどふと思い出すのは、前回ここに来た時のこと……。互いに言いにくいそれを解消しないと、その先はない。

「あ……、あのさ、ショウマ君のこと、なんだけど」
「彼女……、できたんだってな。オレにもメール来てる。サーヤにも知らせた、って……」
「そ、そうだったんだ」
自分から説明しなければと気負っていたサーヤは、その必要がないことを知ってホッと胸を撫で下ろした。

「なんかさ……、いろいろ、ごめん」
「いや、私こそ……ごめん」
「お前は悪くないよ。……オレ達兄弟の揉め事に巻き込んだみたいなとこあったと思うからさ」
腹違いの弟、あいつの母親に酷い目に遭わされたくせに引き取った、俺達から大事なものを奪っていく……。ショウマが悠真のことを、そう言っていたのを思い出す。
「オレ達さ、母親が違うんだ。オレのおふくろが、兄貴の母親から親父を奪ったんだ。不倫だからの略奪愛。……あいつの母親が出て行った時、兄貴は置いて行かれて、オレ達は4人で暮らす事になった」
「それって……、いつ頃の話なの?」
「んー、オレはまだ記憶があんまりないんだ、2歳ぐらいだったから。兄貴は4歳、しっかり覚えてる」
「そうだったんだ……」
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