この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いろごとプリズム
第15章 神山家の事情
「恋愛とか結婚とか、そういうの夢見れない感じになっちゃってるとこもあって……、けど反面、自分は親達みたいにならないで一途にやっていくんだって思うとこもあって……、なんか迷走してたなーって思う。オレはね。……兄貴はずっと、お前に一途だったから……、悪いことしたなって、思うけど……」
「うん、でもなんか、新しい彼女すごく良さそうだよね、メールの感じだと」
「そう、そうなんだよな。オレも安心してたとこ。なんだ、こう、浮かれてる感じがメールから伝わってきてさ、あいつらしくねーなって」
「うんうん!そう」
きっと同じようなメールを送っていたんだ、そのぐらい今のショウマは名古屋で楽しくやっているんだ……と、安堵してふたりは笑う。

「……なぁ、あの日のことは……忘れたい」
核心を突く台詞が悠真から出てきて、サーヤはビクッとする。
「オレさ……、ヘッドフォンで大音量で音楽聴いてたから、その……、ほとんど、何も、聞いてないから」
ほとんど。ほとんど、何も。その言葉は、少しは聞こえてしまっていた、ということを表していた。
「ていうか……、あれだよな、兄貴の彼女だったんだからさ。自業自得だよなオレ」
苦笑いをする悠真が胸に刺さる。

「けど……、オレはとにかくお前しか考えらえないからさ……、もう一度振り出しに戻って、考えてみて欲しいんだ。オレとのこと」
振り出しに戻るも何も。自分の気持ちはもう決まっている……。サーヤはそれをどう告げたらいいのか迷っていた。

「……私、この部屋が好き」
「ん?」
「悠真と、この部屋で過ごすのが……、すごく好きだったんだって、来なくなってわかった」
「あ、ああ……。そっか」
悠真はまだサーヤが言わんとしていることを掴みきれない。
「悠真がもし、あの子をこの部屋に入れたりしたら……って考えると、……すごく嫌で。嫉妬してるの。誰か他の子と、って考えた時に嫉妬するのって……、悠真しかいないの」
「それって……、」
「うん。私、悠真が好き」
「サーヤ……」
ようやく通じ合ったふたりの気持ち。慈しむように抱き合い、互いの存在に感謝しながらその温度を確かめ合う。もう、言葉は要らない。見つめ合って唇が重なるのは、ごくごく自然なことだった。
/111ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ