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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第4章 LessonⅣ 忍ぶれど
祭壇にはこれもよく見かけるように、十字架を背負ったイエス・キリストの像が据え付けられている。その脇には大きなステンドグラスの填った窓があり、聖母マリアが幼いキリストを抱いている様が描かれていた。
聖母はやがて神の子を見舞うことになる残酷で哀しい運命を予感しているのか、慈しみ深い中にも、どこか哀しみを漂わせた微笑をひっそりと浮かべている。
よく晴れた昼間に来れば、このステンドグラスを通して陽光が燦々と差し込み、教会の床に美しい模様を描き出すことだろう。
輝は幼子キリストを抱くマリアを見上げている中に、いつしか泣いていた。その場にくずおれるように座り込み、膝を抱えて泣いた。
聖母はやがて神の子を見舞うことになる残酷で哀しい運命を予感しているのか、慈しみ深い中にも、どこか哀しみを漂わせた微笑をひっそりと浮かべている。
よく晴れた昼間に来れば、このステンドグラスを通して陽光が燦々と差し込み、教会の床に美しい模様を描き出すことだろう。
輝は幼子キリストを抱くマリアを見上げている中に、いつしか泣いていた。その場にくずおれるように座り込み、膝を抱えて泣いた。