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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第4章 LessonⅣ 忍ぶれど
―ミニクイアヒルノコニハ コノヨデノソンザイカチスラナイ。
あの悪意と憎悪に満ちたメールがまたも脳裏に甦る。
お願い、教えてください。マリアさま。私はどうして〝醜いアヒル〟だったのですか?
いつも通勤用に持ち歩いているバッグから携帯を取り出し、夢中で番号を押した。
―それは吉瀬の携帯の番号であった。
しばらく呼び出し音が鳴っていたが、吉瀬は出る様子はない。諦めて切ろうとしたその時、〝もしもし〟と聞き憶えのある声が耳に飛び込んできた。
「吉瀬さん?」
―もしかして、その声は本間さんなの?
「はい、本間です」