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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第1章 LessonⅠ 憂鬱な夜には
母親の方は姉が生まれると同時に勤めを辞め、ずっと専業主婦だ。父よりは三つ若い。いずれにしても、二人ともに六十前後である。早く結婚した姉は三十五歳、三人の子持ちである。男の子一人と女の子二人に恵まれ、夫の営む歯科医院で事務などをこなしながら、順調な家庭生活を送っていた。
一方の妹である輝は三十を過ぎても、浮いた話の一つもない有様である。両親は口にはしないけれど、残った妹娘のゆく末を案じているのは判っていた。
あれこれと考えている中に、輝はいつしか眠りに落ちていった。眠っている間、輝は夢を見ていた。
輝は見たこともない教会の前にいた。
行ったこともない教会の外観は、かつて友人の挙式に参列したことがあるような立派なホテル付属の教会ではなく、雰囲気でいえば町の小さな教会のようだ。
一方の妹である輝は三十を過ぎても、浮いた話の一つもない有様である。両親は口にはしないけれど、残った妹娘のゆく末を案じているのは判っていた。
あれこれと考えている中に、輝はいつしか眠りに落ちていった。眠っている間、輝は夢を見ていた。
輝は見たこともない教会の前にいた。
行ったこともない教会の外観は、かつて友人の挙式に参列したことがあるような立派なホテル付属の教会ではなく、雰囲気でいえば町の小さな教会のようだ。