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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第1章 LessonⅠ 憂鬱な夜には
簡素な教会の前に佇んだ自分は、白いドレスを纏っている。愕いたことに、見上げた空は漆黒に染まり、鈍色の雲が幾重にも垂れ込めていた。雲間から舞い降りてくるのは、ひとひらの雪。
ひらひらと、雪がまるで春に咲く桜の花びらのように降り積もる。さらさらとした粒子の細かい雪は輝の髪や肩に薄く積もった。
ふいに、輝は自分の傍らに誰かがいることに気づき、二度愕くことになった。長身の輝よりも更に拳一つ分くらい上背があり、ほどよく筋肉のついた体躯を黒のタキシードに包み込んでいるのは男!?
――!
輝は声にならない声を上げた。と、傍らの男がスと動き、手を伸ばした。輝の髪にそっと触れたかと思うと、何かをさし示して見せる。大きな手のひらの上には、ふんわりとした花びらのような雪。
ひらひらと、雪がまるで春に咲く桜の花びらのように降り積もる。さらさらとした粒子の細かい雪は輝の髪や肩に薄く積もった。
ふいに、輝は自分の傍らに誰かがいることに気づき、二度愕くことになった。長身の輝よりも更に拳一つ分くらい上背があり、ほどよく筋肉のついた体躯を黒のタキシードに包み込んでいるのは男!?
――!
輝は声にならない声を上げた。と、傍らの男がスと動き、手を伸ばした。輝の髪にそっと触れたかと思うと、何かをさし示して見せる。大きな手のひらの上には、ふんわりとした花びらのような雪。