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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第2章 LessonⅡ 心ときめく記念日
促され案内されたのは、入ったことはないけれど、いつも何度となく前を通ったことのある雑居ビルだった。周囲のビルが近代的で立派なので、三階建ての前時代的なビルは余計に侘びしく見える。こんな薄汚いビルの中のスタジオでは期待できそうもないと、早くも輝はここに来たことを後悔し始めていた。
だが、不安と予想を裏切り、ビル内は意外にも小ぎれいだった。確かに古めかしいものではあるが、掃除も行き届いていて、見苦しいところは何もない。狭いエレベーターに乗り込み、二階で降りる。短い廊下は剥き出しのコンクリではなく、愕くべきことに紅いカーペットまで敷かれていた。―ただし、かなり色褪せ、すり切れた年代物ではあったが。
写真館のオーナーはエレベーターを降り、カーペットの敷かれた廊下を少し進んだ突き当たりのドアを開けた。見たところ、廊下沿いに部屋が三つ並んでいる。貸しスタジオというのは、いちばん奥の部屋のようである。また、廊下の反対側はすべて窓になっており、冬の陽射しが窓を通して廊下にまで差し込んでいる。
だが、不安と予想を裏切り、ビル内は意外にも小ぎれいだった。確かに古めかしいものではあるが、掃除も行き届いていて、見苦しいところは何もない。狭いエレベーターに乗り込み、二階で降りる。短い廊下は剥き出しのコンクリではなく、愕くべきことに紅いカーペットまで敷かれていた。―ただし、かなり色褪せ、すり切れた年代物ではあったが。
写真館のオーナーはエレベーターを降り、カーペットの敷かれた廊下を少し進んだ突き当たりのドアを開けた。見たところ、廊下沿いに部屋が三つ並んでいる。貸しスタジオというのは、いちばん奥の部屋のようである。また、廊下の反対側はすべて窓になっており、冬の陽射しが窓を通して廊下にまで差し込んでいる。