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雪の華~ Memories~【彼氏いない歴31年の私】
第2章 LessonⅡ 心ときめく記念日
 そこで、輝の思考はまた元に戻った。
「じゃあ、そのお父さんの同級生ってことは」
 輝は今、由佳里と直接顔を見て話せない。鏡越しに、由佳里がまた悪戯めいた微笑を送ってきた。
「聡さん、凄く若く見えるでしょう。あれで五十歳なんて信じられます? ウチのお父さんとは大違いですよ。中年っぽくないですよね。お腹も出でなくてスタイル良いし」
 五十歳! 三十一歳の自分の父親といっても良いほどの歳だったとは信じられない。
「だから、本当は聡さんなんて馴れ馴れしく呼んではいけないんですけど、あまりに外見が若くて自分の父親と同じ歳だという認識がなかなかついてゆかなくて」
 由佳里は苦笑しながら言った。
 確かに、初対面では輝もオーナーはどう見ても四十そこそこだと信じ込んだ。だから余計に老成して見える由佳里とオーナーの関係を必要以上に勘繰ってしまったのだけれど。
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