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光 “I can see your halo.”
第2章 元カレと体調不良
「自分の存在価値が一日でなくなった様で…」

引っ込んでいたはずの涙が、戻って来てしまった。
元カレの事なんかよりも、仕事の話になると、やっぱりダメだ…
いつも通りに仕事が出来なかった自分が大嫌いだ。
そっちのストレスの方が大きい。

視界が滲んで、下唇を噛む。
キリキリする胃痛がひどくなって、食道あたりが酸っぱくて気持ちが悪い。
胃の辺りをギリッと掴んで前屈みに丸まる。

「佐々木?どうした…?」

今日はやけに胃が痛い…

「おい。どうした?」

「あ…、大丈夫、です。たぶん、急性胃腸炎だと…。私、よくなるので、平気です。」

滝本さんが側に来て、私の肩に手を置いて、顔を覗いてきた。

「…は?平気じゃないだろ。顔が青いぞ?」

「持病みたいなもの、なので…」

いて、て…
チクチクする痛みに少し顔を歪ませてしまったが、この痛みも正直慣れている。
ただ、今回は気持ちが悪い…
吐きそう、吐きそう…

「少しっ、痛いですけど…平気です。」

痛みで少し冷や汗が出る。
でも、これくらいいつもの事。
数分間我慢すれば、痛みは引いていく。
ふぅ、ふぅと吐くのを意識した呼吸を繰り返して、痛みが引くのを待つ。

「もっ、もう、大丈夫ですから。」

肩に置かれた手に力が入った。

「我慢するな。冷や汗が出るほどなんだろ?酷くなってからじゃ遅いんだぞ?病院に行けよ。」

「だって、土日はやってないんですもん…」

立ち上がろうとして、肩に置かれた手が滑り落ちる。
そして、立ち上がった瞬間に吐き気に襲われた。
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