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12→13
第1章 0001
「はぁ!?榊原主任とねっ………んぐ!」
『しーっ!しーっ!しーっ!』
仕事が終わり、颯汰と約束したいつものとこ。
わたしたちの日課である、バーに来ていた。
「颯汰、あまり声を張るのは良くないよ?」
「いや、だって、聞いたでしょ?」
コトン、とお洒落なバーに似つかない、可愛らしいウサギとクマがケチャップで描かれたオムライスが目の前に置かれると同時に、これまた綺麗な顔が苦笑している。
「世の中的にはみのりんと聖人の関係よりもコッチの方が問題視されちゃうよ?」
「ばっ、!お前が言うなっ!」
『アハハ、ありがとうー紫乃さん。』
バーカウンターを挟んで、颯汰と瓜二つのルックスを持つ、更に美形な紫乃(しの)さんがスルリと隣に座っていた颯汰の手に指を絡めた。
美形同士だと男同士でも絵になるのは何故だろう。
「まあ、それよりも、みのりんは聖人とそのあとは?」
『そのあと……って言っても、わたし主任の連絡先とか一切知らないか、ら、』
「解せん!」
『「え?」』
それまでニコニコ楽しそうに話を聞いていた紫乃さんが突然鬼の形相になった。
それに反応したのはわたしだけではなく、颯汰も同じだった。
「ったくあの下衆野郎……。」
『し、紫乃さーん……?』
「紫乃、キャラ壊れてる。」
「煩い」と紫乃さんはピシャリと颯汰に言うなりカウンターの後ろからスマホを取り出した。
そして素早い手付きで何処かに電話を掛け始めた。
まさか、と思ったときにはもう遅くて。
「あー……もしもし聖人?俺だけど。」
紫乃さんが主任に電話を掛けた。