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素直になれなくて
第8章 波乱と別れ
恵美は、オレンジジュースのグラスのストローを指でポンポンと弾きながら、浅井を見た。
「……とにかく、田坂は、どんなに悔やんでも戻って来ない……悠里の側には来れないんだからさ。田坂の分まで、愛してあげられるのは、私は浅井だと…思うよ。あんたの悠里への執着心というか深い愛情は、田坂の事も包み込んで行けると思うんだけど……違うの?」
浅井は、黙ったまま、恵美を見た。
「確かに、愛する人の恋人が亡くなったから、次は俺の番みたいで、周りからは不謹慎な感じがあるかも知れない。でも、浅井と悠里は……それに田坂は……そんな言葉で片付けられない……チームと言うか……仲間みたいで……上手く言えないけどさ。私、変かな、可笑しいのかな。」
「…………可笑しくないよ。お前、たまに良い事言うんだよな。」
「……褒めてるの?」
恵美は、浅井に期待の眼差しを向けた。
「褒めてるよ。」
浅井は、フッと笑った。
そう、俺たちは、普通とは少し違った。
普通なら、彼奴らが付き合った時点で、俺は手を引くべきなんだろう。だけど……
彼奴らの行く末を、側で見ていたかった。
あの2人が、幸せになるなら、俺は目一杯応援したかった。
そして俺が見守る事を、田坂は受け入れていた。
時にから掻いながら、時に背中をおしながら、彼奴らの側にいることが、楽しかったし、嬉しかったんだ。
俺は、悠里も、田坂も、大好きだった。いや、大好きなんだ。
それは、田坂も…同じだった…そうだよな?田坂……
田坂は、あの時、最後の力を振り絞って、悠里を俺に託した。
悠里を守れと……他の誰でもない、俺に。
浅井は、ゆっくりと席を立つと、財布から金を出してテーブルに置いた。
「悠里の合鍵、もらっていい?」
恵美は、フッと笑いながら、合鍵を渡した。
「頑張んなさいよ?」
「ああ、サンキュ。」
そう言うと、浅井はポケットに鍵を突っ込み、店を後にした。
「……とにかく、田坂は、どんなに悔やんでも戻って来ない……悠里の側には来れないんだからさ。田坂の分まで、愛してあげられるのは、私は浅井だと…思うよ。あんたの悠里への執着心というか深い愛情は、田坂の事も包み込んで行けると思うんだけど……違うの?」
浅井は、黙ったまま、恵美を見た。
「確かに、愛する人の恋人が亡くなったから、次は俺の番みたいで、周りからは不謹慎な感じがあるかも知れない。でも、浅井と悠里は……それに田坂は……そんな言葉で片付けられない……チームと言うか……仲間みたいで……上手く言えないけどさ。私、変かな、可笑しいのかな。」
「…………可笑しくないよ。お前、たまに良い事言うんだよな。」
「……褒めてるの?」
恵美は、浅井に期待の眼差しを向けた。
「褒めてるよ。」
浅井は、フッと笑った。
そう、俺たちは、普通とは少し違った。
普通なら、彼奴らが付き合った時点で、俺は手を引くべきなんだろう。だけど……
彼奴らの行く末を、側で見ていたかった。
あの2人が、幸せになるなら、俺は目一杯応援したかった。
そして俺が見守る事を、田坂は受け入れていた。
時にから掻いながら、時に背中をおしながら、彼奴らの側にいることが、楽しかったし、嬉しかったんだ。
俺は、悠里も、田坂も、大好きだった。いや、大好きなんだ。
それは、田坂も…同じだった…そうだよな?田坂……
田坂は、あの時、最後の力を振り絞って、悠里を俺に託した。
悠里を守れと……他の誰でもない、俺に。
浅井は、ゆっくりと席を立つと、財布から金を出してテーブルに置いた。
「悠里の合鍵、もらっていい?」
恵美は、フッと笑いながら、合鍵を渡した。
「頑張んなさいよ?」
「ああ、サンキュ。」
そう言うと、浅井はポケットに鍵を突っ込み、店を後にした。