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素直になれなくて
第1章 新入社員
いつもの店舗で、コーヒーを買うと、悠里は職場へ向かう。
「はぁーっ。」
「デカイ溜息だな?」
振り返ると、浅井が立っていた。
「あ、おはよう。」
「何かあったか?」
「ん、何でもないよ。大丈夫。多分……」
「何だよ?相談乗るぞ?」
「ごめん。ありがとね、浅井。」
そう言って、浅井の肩に手をやる。
その手を不意に掴まれた。
「何か、何時もと雰囲気違うな?」
「一緒だよ?」
そうだな?何だろな?
浅井の視線をかわしながら、職場の入口まで来た時だった。
「悠里先輩!」
あ、その声は……
「たっ…田坂くん。おっおはよう。」
「悠里先輩、出勤早いんですね?チャイム鳴らしたけど、もう出た後だったみたいで。」
「チャイム?」
浅井が怪訝そうな顔をする。
「いや、昨日、偶然わかったんですけど、マンションお隣同志で。」
「はあ?隣?」
浅井は、横で真っ赤になる悠里を見て、何かを察した。
「ち、遅刻するから、もう行こうよ?」
悠里は居た堪れなくなって、2人に声を掛ける。
「あ、そうですね。」
田坂は、ニコニコ笑っている。
人の気も知らないで。
悠里は思わず溜息を吐いた。
エレベーターに乗り、部署のフロアに着いた。
田坂が何を言い出すのかドキドキしていた悠里は一先ずホッとして、自分のデスクに座った。
「仕事、仕事。」
そう、言い聞かせると、パソコンのスイッチを入れた。

悠里は企画書をコピーするため、コピー室へ入った。
その悠里の後を追うようにして、田坂が入って来た。
「どうしたの?」
「手伝いますよ?」
不意に腕を掴まれ、壁に押し付けられる。
「ちょっと……」
「キスしたい。」
「ふざけないで。」
「昨日はあんなに激しかったのに?」
「もう、忘れて。」
「嫌だ。忘れない。」
悠里の巻かれた髪を弄りながら、悠里を見つめてくる。
「仕事は、仕事できちんとケジメを付けたいの。お願い。」
真剣な悠里の眼差しに、田坂は溜息を吐いた。
「わかりました。我慢します。」
悠里の頬にチュと軽くキスをして、悠里を解放した。
「今日、また行っても良いですか?」
「なっ…」
田坂は耳元で囁いた。
「先輩の肌が、忘れられない…」
「馬鹿っ!」
「ははっ、先輩、顔真っ赤!」
「からかわないで!」
叩こうとする悠里を、田坂はひらりとかわした。
そのやり取りを、浅井は廊下で立ち聞きしていた。
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