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第8章 波乱と別れ

暫くすると料理が次々に運ばれて来た。
悠里と浅井は、目を丸くしながら、綺麗に盛り付けられた料理を食べた。
「うーん。お腹いっぱいかも。」
「本当に、よく食べたなぁ。」
デザートを食べながら、2人は夜景を見つめた。
「浅井……私ね、浅井のこと好きだよ。」
突然の告白に、浅井は思わず噎せた。
「ゴホッ……んあ……悠里？」
「浅井海斗が好きです。」
浅井は、今目の前の悠里が、何を言ってるのか上手く理解出来なかった。
「あの……悠里？」
「もう、浅井のバカ……」
「その……好きは……あの、友達としてとか、ペットとかに対しての好きじゃなくて……その」
「1人の……男性として、だよ。」
悠里は、浅井を真っ直ぐ見つめた。
「……悠里……」
「今朝、お墓参りに行ったのは、ヒロくんに私の気持ちを伝えたかったの。私、前に進むねって。」
「……悠里。」
「……ヒロくんの事は、多分一生忘れられないと思う。浅井は……そんな私でも良いの？」
「当たり前だっ！俺は……どれだけ……お前の事……」
浅井は、席を立つと、悠里の身体を抱き寄せた。
「どれだけ……お前の事……こうして胸の中に抱きしめたかったか……」
浅井は、悠里の髪に顔を埋めた。
「お前こそ……俺で……良いのかよ？」
悠里がコクリと頷いた。
「悠里……」
浅井は、悠里の顎に手をやると、唇をゆっくりと重ねた。
「……悠里…お前が……欲しい。」
浅井は、もう一度唇を重ねると、悠里を抱きしめた。
「悠理……ちょっと待ってて。」
浅井は、一旦個室を出て、暫くすると戻ってきた。もう一度悠里を抱きしめた。
「……上の部屋取った。」
悠里は、ゆっくりと浅井を見上げる。
「いいか？」
悠里は、コクリと頷いた。